筋肉の量的、質的維持がメタボリックシンドロームの予防に及ぼす効果に関する研究―具体的な筋力トレーニングプログラムの開発

文献情報

文献番号
200624052A
報告書区分
総括
研究課題名
筋肉の量的、質的維持がメタボリックシンドロームの予防に及ぼす効果に関する研究―具体的な筋力トレーニングプログラムの開発
課題番号
H18-循環器等(生習)-若手-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
田辺 解(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 久野 譜也(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 前田 清司(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、中年者を対象として、筋因子(筋量、筋力)の大小が、あるいは筋力トレーニングによる筋肉の質的・量的変化が、メタボリックシンドローム(MS)に及ぼす影響を明らかにし、MS予防のための具体的運動プログラムを開発することを目的とした。研究1ではMS予防のための筋量及び筋力の基準値を示すことを念頭において、中年者における筋因子とMS関連因子の関係性について検討し、研究2では多人数の中年勤労者を対象としたライフスタイル型の運動プログラム及びその管理運用システムが、MS予防に有用であるか、そして、プログラムに含まれる筋力トレーニングが、MSの改善にどの程度寄与しているかについて検討した。
研究方法
研究1では、20歳代後半?60歳代前半の健康な中年者133名(男性99名、女性34名)を対象とし、最大等速性筋力(膝関節伸展/屈曲、股関節屈曲トルク)、筋横断面積(大腿部、大腰筋)、フィールドテストにより評価される筋力(上体起こし、椅子立ち上がり、握力)及びMS関連因子(臍位周囲径、血圧、血糖及び血中脂質等)を測定し、筋因子とMS因子の間の関係性を検討した。
 研究2では、一民間企業に属する中年勤労者136名を対象とし、筋力トレーニングを含めたライフスタイル型(ライフスタイルに合わせて都合の良い時間と場所で運動プログラムを実施する個別型)の運動プログラムを9ヶ月間実施させた。介入前後に研究1と同様の筋因子とMS因子の諸項目を測定し、運動プログラムの効果の検証を行った。
結果と考察
研究1の結果、男性99名の対象において、MS該当者及びMS予備群では筋力及び筋横断面積が低い傾向にあったことから、筋因子がMSに影響を及ぼす可能性が示唆された。一方、女性の対象(34名)においては、筋因子とMS因子の間に関連性が認められなかった。筋量や筋力の基準を設定するためには対象人数が少なく、本データだけでは明確な結論を得ることができなかった。この点については、今後、数百名単位でデータを増やした上で、結論づけることとする。
 研究2では、ライフスタイル型運動プログラムの介入9ヶ月後において、対象の筋量及び筋力が介入前に比べて有意に増加するとともにMS該当者及び予備群の数が大幅に減少した。また、トレーニングの結果生じた筋量及び筋力の改善がMS関連因子の減少に影響を及ぼす可能性が示された。
結論
中年者における筋量や筋力の大小、又は筋力トレーニングがMSに影響を及ぼす可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-14
更新日
-