慢性心不全におけるメタボリック症候群の意義に関する研究

文献情報

文献番号
200624049A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性心不全におけるメタボリック症候群の意義に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-047
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学大学院医学系研究科循環器病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学系研究科循環器病態学)
  • 代田 浩之(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター)
  • 松崎 益徳(山口大学大学院器官制御医科学)
  • 岡松 秀一(麻生飯塚病院)
  • 福本 義弘(東北大学大学院医学系研究科循環器病態学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最近、メタボリック症候群という疾患概念が確立され、注目されている。この背景には、心血管病の成因には、高血圧・高脂血症などの個々の重症度よりも、それらの重複が重要であることが広く認識されるようになった経緯がある。このメタボリック症候群の重要性は、虚血性心臓病では広く認識されるようになったが、慢性心不全における意義に関しては、まだ明らかにされていない。そこで、本研究では、全国各地の参加施設およびその関連施設の参加を得て、日本人の慢性心不全におけるメタボリック症候群の意義に関する多施設共同研究を行うことを目的とする。

研究方法
1.慢性心不全におけるメタボリック症候群の頻度・臨床的特徴に関する研究(平成18・19年度)
20歳以上の慢性心不全患者を対象とし、メタボリック症候群の合併の有無と、基礎心疾患・症状の重症度・心機能・身体活動能力・心血管イベント・予後などとの相関を比較検討する。

2.メタボリック症候群患者における慢性心不全の発症に関する研究(平成19?20年度)
20歳以上のメタボリック症候群患者を対象とし、心不全発症の有無と、心機能・身体活動能力・心血管イベント・予後などとの相関を検討する。

3.メタボリック症候群を合併した慢性心不全に対する治療介入の意義に関する研究(平成19?20年度)
メタボリック症候群を合併した慢性心不全患者を2群に分け、1群には積極的な食事療法、運動療法を行い、肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病の改善を図る。もう1群には通常の栄養指導および運動療法を行う。その2群間において、症状の重症度・心機能・身体活動能力・心血管イベント・予後などの相関を比較検討する。
結果と考察
本研究では、調査を平成20年度末まで行う予定であり、結果は平成21年度に明らかになる予定である。
患者登録データに基づいて、メタボリック症候群が心不全増悪因子であることが示されれば、慢性心不全治療におけるメタボリック症候群の治療の重要性が明らかになる。また、慢性心不全の重症度や予後が、メタボリック症候群の有無で違いがあれば、その治療目的がより明確になる。本研究により、早期より効果的に慢性心不全を予防することが可能になり、臨床応用できる極めて有用なエビデンスが得られることが期待される。
結論
本研究は慢性心不全の効果的治療法や予防法の確立を目的としたものであり、今後の心不全医療の質の向上に大きく寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2007-05-07
更新日
-