脳卒中地域医療におけるインディケーターの選定と監査システム開発に関する研究

文献情報

文献番号
200624046A
報告書区分
総括
研究課題名
脳卒中地域医療におけるインディケーターの選定と監査システム開発に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-044
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
峰松 一夫(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
研究分担者(所属機関)
  • 成冨 博章(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
  • 安井 信之(秋田脳血管研究センター)
  • 岡田 靖(九州医療センター)
  • 長谷川 泰弘(聖マリアンナ医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
38,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、脳卒中地域医療の質を向上させるために、標準化された定量的指標(インディケーター)を用いた脳卒中地域医療評価システムを構築することである。
研究方法
本研究では、4つのモデル地域、すなわち、大阪北部地域、秋田市医療圏、川崎市広域、福岡市並びにその周辺地域の各地域における救急隊、急性期治療病院、回復期リハビリテーション施設、介護施設までのデータを活用して、正確で全国に普遍化できる統合型脳卒中地域医療評価システムを構築することを目的として、3年計画で遂行される。
結果と考察
 脳卒中医療は、救命救急、急性期治療から回復期リハビリテーション、さらには在宅介護に至るまで、長いスパンにわたって継ぎ目のない治療(シームレスケア)が提供されなければならない。そのためには、脳卒中地域医療全体の質を評価するシステムを構築することが必要である。すでに欧米では、適切なインディケーターを用いて脳卒中急性期治療の質を評価するシステムが確立しつつあるが、わが国にはそのようなシステムは存在しない。
 1年目である本年度は、平成16,17年度厚生労働科学研究費補助金による「わが国におけるstroke unitの有効性に関する多施設共同前向き研究」(主任研究者 峰松一夫)の継続と最終解析、米国視察を行った。これらの成果をもとに、わが国の脳卒中急性期インディケーター案を策定し、分担研究者の所属施設でpilot study(インディケーター測定調査)を実施した。また、脳卒中急性期専門医療機関および回復期施設の診療実態を把握するために、全国約5500施設を対象にアンケート調査を行った。さらに、分担研究者所属施設を中心とした4つのモデル地域では、地域医療連携に関する活動を行った。来年度は、これらのデータをもとにして、急性期のみならず救急隊や回復期リハビリテーション施設、在宅医療まで広げた地域医療のインディケーター選定を開始する予定である。
結論
最終的には、欧米の評価システムを参考にしつつ、わが国独自の適切な脳卒中地域医療インディケーター評価システムを確立することにより、各種脳卒中治療・介護システムの客観的評価、地域差の原因が明らかとなり、日本の脳卒中医療全体の質の向上につながるものと思われる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
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