離島・農村地域における生活習慣病対策の環境整備とその評価に関する研究

文献情報

文献番号
200624037A
報告書区分
総括
研究課題名
離島・農村地域における生活習慣病対策の環境整備とその評価に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-035
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
磯 博康(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 善信(秋田県秋田中央保健所)
  • 佐藤 眞一(大阪府立健康科学センター)
  • 湊 孝治(茨城県筑西保健所)
  • 山岸 良匡(筑波大学大学院 社会健康科学)
  • 小林 美智子(長崎シーボルト大学)
  • 上原 真理子(沖縄県宮古保健所)
  • 岡田 克俊(愛媛大学総合健康センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の離島・農村地域での生活環境、生活習慣、生活習慣病の有病・罹患・死亡状況や医療費を分析し、離島・農村に特徴的な環境要因・生活習慣の問題点を明らかにすることを目的とする。さらに、これらの中からモデル的な地域を選び、実際に問題となる要因を取り除くことが、疾病の罹患・死亡及び医療費の抑制に効果をもたらすかを定量的に分析する。
研究方法
下記のテーマを3年計画で総合的に進める。対象とする離島・農村地域は、長崎県新上五島町(離島地区3.2万人)、沖縄県宮古島市(離島地区4.3万人)、秋田県井川町(農村地区7千人)、茨城県筑西市協和地区(農村地区1.8万人)、茨城県桜川市岩瀬地区(農村地区2.3万人)愛媛県大洲市(農村地区5.1万人人)の5地域である。(1)生活環境・生活習慣に関する調査(2)脳血管疾患、虚血性心疾患及び全死亡率の比較(3)生活習慣病有病率の比較(4)国保医療費の推移(5)予防対策の経済分析
結果と考察
(1)生活環境・生活習慣に関する調査
 対象地区において実施された既存の調査結果を生態学的に検討し、農村・離島別の生活環境のうち、 社 会経済要因と施設人材の特性を把握した。
(2)脳血管疾患、虚血性心疾患及び全死亡率の比較
 脳卒中では、男女ともに宮古が最も低く、井川及び岩瀬で高くなっていた。また、心疾患については、 男性では離島・農村地域で大きな差は認められなかったが、女性では離島地域で高くなっており、脳卒 中とは異なるパターンが認められた。
(3)生活習慣病有病率の比較
 生活習慣病有病率の比較としては、一部の対象地域(茨城、秋田)において腹囲測定を行い、高血圧、 糖尿病及びメタボリックシンドロームの有病率を生態学的に比較した。日本内科学会の基準でウエスト 周囲径の代用としてBMIを指標としたメタボリックシンドロームの有病率は、井川町、協和地区の男性で 15?20%、女性で5?10%であった。
(4)国保医療費の推移
 一部地域(茨城、秋田)の経済分析実施予定地域において医療費の収集を開始した。
(5)予防対策の経済分析 
 予防対策開始より現在までの費用の算出のための基礎データの収集を開始した。

結論
各地域の環境要因・生活習慣の予備的な把握を行い、また、脳血管疾患、虚血性心疾患、全死亡のデータの予備解析を行い、環境要因、生活習慣、死亡状況の地域差の存在を確認した。

公開日・更新日

公開日
2007-05-07
更新日
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