疾病予防サービスに係わるエビデンス構築のための大規模コホート共同研究

文献情報

文献番号
200624027A
報告書区分
総括
研究課題名
疾病予防サービスに係わるエビデンス構築のための大規模コホート共同研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-012
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
上島 弘嗣(国立大学法人 滋賀医科大学 社会医学講座福祉保健医学)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 潤(東北大学大学院 薬学研究科 医療薬学講座 臨床薬学分野)
  • 磯 博康(大阪大学大学院 医学系研究科 社会環境医学講座 公衆衛生学)
  • 玉腰 暁子(国立長寿医療センター 治験管理室)
  • 清原 裕(九州大学大学院 医学研究院 環境医学)
  • 岡山 明(国立循環器病センター 予防検診部)
  • 岡村 智教(滋賀医科大学 社会医学講座福祉保健医学 )
  • 斎藤 重幸(札幌医科大学 医学部 内科学第二講座)
  • 辻 一郎(東北大学大学院 医学系研究科 社会医学講座 公衆衛生学分野)
  • 中川 秀昭(金沢医科大学 健康増進予防医学)
  • 児玉 和紀(財団法人 放射線影響研究所 疫学部)
  • 中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
73,077,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、長期間コホート研究を行っている複数集団のデータを個人ベースで統合し、従来、サンプルサイズの関係で分析ができなかった性別、年代別の生活習慣病の危険因子の健康影響を定量的に評価し、健康診査項目の疾病発症や死亡、医療費上昇の予測要因としての有効性を明らかにすることである。
研究方法
研究手法としては、既存データから健診項目や問診項目の個人および集団のリスク評価に関する有効性を評価する既存コホート研究と、各コホートの追跡を引き続き継続する共同研究を同時に実施し、迅速な結果の提示と新たなエビデンスの構築を目指した。
結果と考察
本年度は、まず既存コホート共同研究の更なる拡充とその解析を行った。統合コホートは13(端野・壮瞥、大崎、大迫、YKK、小矢部、滋賀県国保、吹田、放射線影響研究所、久山町、JACC、NIPPON DATA80・90、茨城)であり、多様なファイル形式のデータを統一的に処理するために統計パッケージSAS ver 8.2を使用した。その結果、ベースラインの在籍者数約19万人(追跡人年180万)の本邦最大規模のデータベースを構築した。血圧や喫煙などの循環器疾患危険因子と総死亡の関連を性別に細分化された年齢区分ごとに検討した。年齢階級別にポワソン回帰を実施し、他の危険因子の影響を調整した上、30、40、50、60、70、80歳以上のすべての年代層で、各循環器疾患の危険因子の相対リスクと絶対リスクが算出された。これによりそれぞれの危険因子をターゲットとした予防対策を実施した際の年齢階級別の循環器疾患死亡率や総死亡率の変化量を推計でき、保健指導等を実施した場合の有効性評価の推計が可能となった。この際、医療費も重要なターゲットとなるが、本研究班に参加しているコホートのうち、医療費をエンドポイントとしているところは少ないため、研究対象集団を広げて健診と医療費の関連を検討することとした。その結果、約5万人の健診所見と医療費のデータを収集し、相互の関連をレトロスペクティブな手法で解析中である。また、各コホート独自の研究成果も数多く公表された。
結論
本研究により、200万人年のデータを用いて性別、年代別の細かい循環器疾患危険因子のリスク評価を実施した。合わせて各コホートの個別研究の発展、医療費をエンドポイントとした新たな既存コホートの構築が行った。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
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