生活習慣病予防のための効果的な栄養教育手法に関する研究

文献情報

文献番号
200624024A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防のための効果的な栄養教育手法に関する研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂(お茶の水女子大学大学院人間文化研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所 公衆栄養学)
  • 伊達 ちぐさ(武庫川女子大学 生活環境学部 公衆栄養学)
  • 早渕 仁美(福岡女子大学人間環境学部大学院 栄養指導 公衆栄養学)
  • 須藤 紀子(国立保健医療科学院生涯保健部 公衆栄養学)
  • 大山 珠美(宮城学院女子大学栄養食品学科 栄養教育)
  • 吉池 信男(国立健康・栄養研究所 疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活習慣病の予防を目的として、軽度リスク者を対象とした効果的な栄養教育手法を開発し、その有効性を検証する。
研究方法
国内外の先行研究の系統的レビュー、地域・職域等における先駆的実践例を踏まえて、行動科学的な理論を取り入れた軽度リスク者への栄養教育実践マニュアル(案)を作成する。地域および職域における成人(20歳?50歳代男女)のうち、健康診断結果で軽度所見を有するもの又は食習慣上の課題を有する軽度リスク者を対象として、原則は集団学習とし、集団学習の中に個々人のニーズへの個別的な対応を取り込んだ方法で、職域・地域のマンパワーや予算の現状の中でも実施可能なプログラムとする。その効果を検証するために地域・職域フィイールドでの介入試験を行う。
結果と考察
市町村を対象とした調査実施、既存マニュアルの検討、文献レビュー、小規模な栄養介入等を実施し、以下の結果を得た。8市町村と2企業において、それぞれの共通のマニュアルを作成し、栄養改善事業を行った結果、同じ県下の市町村においてさえバラバラになされていた調査や栄養教育を統一して行うことができ、他地域との比較が可能となった。また、基本的にはマニュアルに沿って進めることで、自動的にPlan⇒Do⇒Seeまでが完了することが分かった。しかし、市町村の管理栄養士数は少なすぎて、住民に対して十分な栄養指導を行うことが極めて難しいということが新たな問題点として浮上してきた。そこで、いくつかの市町村で、アウトソーシングとして在宅栄養士を活用した結果、問題点が大きく改善できることがわかった。
結論
当初の目的である効果的なマニュアルを作成することはある程度順調に進んできた。それ以外に、人的資源としてアウトソーシングの活用無しでの成果は難しいこと、その活用法に対する検討の必要性などの重要な問題とその解決に向けての当初の予定とは違った研究も取り入れることにした。これらの課題に取組むことで、マニュアルの効果をより高めることができると期待している。今後は、これまでの栄養教育マニュアルのさらなる改良と、従来の地域や職域に加えて他の場所においてもマニュアルの使用と改善を行い、アウトソーシングの活用法とその効果についてもさらに検討を進めていく。最終的には全国で利用できる完成度の高いモデルとして完成させることを目指す。また、研究を進めて行く上での壁は、今回のように研究として取り上げる場合の市町村の個人情報の問題である。今後、これをどう克服するかについても考えていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
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