受動喫煙対策にかかわる社会環境整備についての研究

文献情報

文献番号
200624021A
報告書区分
総括
研究課題名
受動喫煙対策にかかわる社会環境整備についての研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 勇武(産業医科大学 産業生態科学研究所 労働衛生工学研究室)
  • 大神 明(産業医科大学 産業生態科学研究所 呼吸病態学研究室)
  • 大藪 貴子(産業医科大学 産業生態科学研究所 労働衛生工学研究室)
  • 吉積 宏治(産業医科大学 産業生態科学研究所 作業病態学研究室)
  • 太田 雅規(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
公共交通機関、宿泊施設、大型遊戯施設における受動喫煙対策の実態、および、医・歯学部における敷地内禁煙の導入の実態を明らかにする。その結果を公表することにより、対策が遅れている施設の対策がどの程度改善されるかについて評価する。
研究方法
公共性の高い特定の施設(新幹線、JR6社の在来線特急、ドーム球場、ホテル・飲食店、80医学部と29歯学部)について立ち入り調査もしくは郵送法によるアンケート調査をおこない受動喫煙対策の実態について漏れなく把握した。
結果と考察
結果= JR在来線特急で受動喫煙の受けない車両の比率(禁煙率)を2006年および2007年3月のダイヤ改正前後で算出した(詳細は下記ホームページ参照)。2006年3月に北海道内を発着する特急が全車両禁煙化され、2007年3月にJR東日本が全車両禁煙化、JR九州のほとんどの特急が禁煙化された。禁煙化率はJR東日本97.8%、JR北海道97.3%、JR九州89.5%に改善した(JR東海54.2%、JR西日本46.6%、JR四国19.8%)。新幹線については、2007年3月に東海道山陽新幹線(42%)を除き、禁煙化率は100%となった。医・歯学部の敷地内禁煙に関する調査では、すでに敷地内禁煙を導入済み、もしくは、その日時が確定している医学部は27校および43附属病院、歯学部5校および14附属病院であることがわかった。プロ野球球場13施設は2007年3月までに2施設で対策がおこなわれ、8球場の受動喫煙対策が完了したことがわかった。
考察= 今回の調査対象となった施設における受動喫煙対策は、この1~2年で急速に改善していることが判明した。特にJRの禁煙化率の改善については、本調査結果に基づいて、過去3回の禁煙化の申し入れが11医学会で組織される禁煙推進学術ネットワークからおこなわれていることも要因の一つであろう。特定の業種において、同業他社の対策状況を数値や一覧表で比較することができる結果に基づいて改善の要望をおこなうことは有効であると考えられた。
結論
本研究で用いられた調査票には啓発的な内容を多く含み、かつ、結果がまとまり次第ホームページ上で公開することが依頼状に予告してある。また、全数調査を行っているためマスコミにも取り上げられる機会が多く、記事として報道された場合には、施設の管理者に対して改善を促す効果も大きいと思われる。本年度の結果を調査対象にフィードバックしながら、最終年度に向けて調査の継続、および、調査対象の拡大を図っていく予定である。
  http://www.tobacco-control.jp/

公開日・更新日

公開日
2007-04-03
更新日
-