超急性期脳梗塞治療法の確立に関する多施設共同ランダム化比較試験に関する研究

文献情報

文献番号
200623019A
報告書区分
総括
研究課題名
超急性期脳梗塞治療法の確立に関する多施設共同ランダム化比較試験に関する研究
課題番号
H16-心筋-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小川 彰(岩手医科大学 脳神経外科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 明(東北大学大学院医学系研究科神経病態制御学分野)
  • 滝 和郎(三重大学医学部 脳神経外科学講座)
  • 根本 繁(自治医科大学 医学部 血管内治療部)
  • 峰松 一夫(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
  • 森 悦朗(東北大学大学院医学研究科高次機能障害学)
  • 宮本 享(国立循環器病センター 脳血管外科)
  • 佐々木 真理(岩手医科大学 放射線医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究【心筋梗塞・脳卒中臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、経動脈的線溶療法有効性を大規模ランダム化試験によって確認し、脳梗塞患者転帰を改善せしめ、さらに要介護症例の減少をはかることである。
研究方法
20歳以上75歳以下で、CTでは全く変化を認めないか軽度の初期虚血変化のみの、発症6時間以内の中大脳動脈閉塞症を対象とした。症例はランダムに治療群と対照群に割り付けられた。治療群にはウロキナーゼ局所線溶療法を、対照群には線溶療法以外の治療を行った。有効性は30日後、90日後のmodified Rankin scale (mRS)、NIHSS、Barthel Indexで評価した。安全性は全ての死亡および有害出血性変化の割合を評価した。また、急性期脳梗塞症例の本邦における実態を調査するために、後ろ向き登録研究も併せて行った。
結果と考察
114例が登録され、UK群、対照群にそれぞれ57例が割り付けられた。両群に1例ずつ実行違反があったが、ITP解析を行った。死亡率・有害出血性変化に関して治療群・対照群に有意差を認めなかった。転帰良好となる症例は治療群において8.8-22.1%高かった。1次endpoint の90日後mRS 2以下の症例では有意差を認めなかったものの、2次endpoint とした90日後mRS 1 以下の症例は治療群24例、対照群13例と有意に治療群に転帰良好な例が多かった(p = 0.045)。後ろ向き登録研究では、中大脳動脈閉塞症例に対する経静脈的線溶療法の有効性が極めて限られていることが判明した。
結論
本研究の結果、中大脳動脈閉塞症に対する6時間以内局所線溶療法の有効性・安全性が証明された。今後、経静脈的線溶療法との比較を行う必要がある。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

文献情報

文献番号
200623019B
報告書区分
総合
研究課題名
超急性期脳梗塞治療法の確立に関する多施設共同ランダム化比較試験に関する研究
課題番号
H16-心筋-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小川 彰(岩手医科大学 脳神経外科学講座)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究【心筋梗塞・脳卒中臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
200623019C