健康づくりのための個々人の身体状況に応じた適切な食事摂取に関する栄養学的研究

文献情報

文献番号
200624001A
報告書区分
総括
研究課題名
健康づくりのための個々人の身体状況に応じた適切な食事摂取に関する栄養学的研究
課題番号
H16-循環器等(生習)-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 内藤 義彦(武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科)
  • 赤川 安正(広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頚部医科学講座先端歯科補綴学研究室)
  • 門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最終年度である本年度は、適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、以下の研究を実施した。
研究方法
本年度に実施した各個研究は次のとおりである。研究1:地域における身体活動及び栄養指導ツールの有用性に関する研究。研究2:地域住民を対照とした食事指導の大規模介入試験。研究3:小学生高学年用簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ10y)および中高生用簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ15y)の回答率についての検討。研究4:種々の食事評価法より算出された栄養素摂取量と個人の日常的な栄養素摂取量の比較に関する研究。研究5:就学生(6-18歳)を対象とした食事調査票の開発及び妥当性研究に関する系統的レビュー。研究6:成人版簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)の利用者マニュアルの作成。
結果と考察
研究1:身体活動質問紙および加速度計、簡易型自記式食事歴法質問票、食行動問診票、食に関する意識質問票、栄養指導ツールを組み合わせた健康教育プログラムの有効性を認めた。研究2:平成18年度の回収率は23%と低かった。漬物において1年後、摂取量が減少しており統計学的に有意な差が認められたが、それ以外の栄養素等摂取量、食品群別摂取量に有意な差は認められなかった。研究3:平均回答率はBDHQ10yで98.4%、BDHQ15yで99.8%と概ね良好な回答率であった。しかしながら、BDHQ10yでは、低脂肪乳の摂取頻度と普通乳の摂取頻度をそれぞれたずねる項目および、白米の摂取頻度と雑穀の摂取頻度をそれぞれたずねる質問において記入もれが多く見られた。コーヒーおよび紅茶を飲むときに使う砂糖の使用頻度の質問でも記入もれが多く見られた。研究4:12日間秤量食事比較を日常的な栄養素摂取量とし、各々の食事評価法から算出された摂取量との相関を検討した結果、1日秤量食事記録よりもDHQ、BDHQにおいてわずかながらも高い相関を示すことが明らかとなった。研究5:開発された質問紙は26件であり、その妥当性を検討した27編の論文が抽出された。質問紙のタイプは、食物摂取頻度調査票が23件(うち半定量:21件、固定量:2件)、食物摂取頻度調査法の一部に24時間思い出し法が含まれたものが2件、食事歴法質問票は1件であった。研究6:全90ページからなるマニュアルが完成した。
結論
適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、さらなる研究を進めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-11-05
更新日
-

文献情報

文献番号
200624001B
報告書区分
総合
研究課題名
健康づくりのための個々人の身体状況に応じた適切な食事摂取に関する栄養学的研究
課題番号
H16-循環器等(生習)-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 内藤 義彦(武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科)
  • 赤川 安正(広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頚部医科学講座先端歯科補綴学研究室)
  • 門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、以下のような研究を実施した。
研究方法
実施した主な各個研究は次のとおりである。研究1:二重標識水法をゴールドスタンダードとした、成人版自記式食事歴法質問票(DHQ)から得られる摂取エネルギーの妥当性の検討。研究2:7日間秤量食事記録をゴールドスタンダードとした、小学生版簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ10y)の妥当性の検討。研究3:地域住民を対象とした成人版簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)による食事調査及び食事指導。研究4:地域在住健常高齢者における咬合と栄養摂取との関係の検討。研究5:地域における身体活動及び栄養指導ツールの有用性に関する研究。研究6:地域住民を対照とした食事指導の大規模介入試験。研究7:成人版簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)の利用者マニュアルの作成。
結果と考察
研究1:DHQにおける摂取エネルギーの過小申告の程度は欧米諸国からの報告とほぼ同程度であるものの、集団として評価する場合、摂取量に無視できないほどに大きな系統誤差が存在することが明らかとなった。研究2:BDHQ10yの妥当性は、栄養素レベルでも食品レベルでもじゅうぶんでなく、ポーションサイズや休職の計算プログラムの見直しが必要であると考えられた。研究3:栄養素摂取量および食品群別摂取量の結果を検討したところ、食塩の過剰摂取と食物繊維の不足が観察された。研究4:地域在住健常高齢者においては、残存歯もしくは義歯により咬合の確保されている者では、栄養摂取状況に有意な差はなかったものの、身体計測結果より脂肪の蓄積がやや少ない傾向がうかがわれた。研究5:身体活動質問紙および加速度計、簡易型自記式食事歴法質問票、食行動問診票、食に関する意識質問票、栄養指導ツールを組み合わせた健康教育プログラムの有効性を認めた。研究6:平成18年度の回収率は23%と低かった。漬物において1年後、摂取量が減少しており統計学的に有意な差が認められたが、それ以外の栄養素等摂取量、食品群別摂取量に有意な差は認められなかった。研究7:全90ページからなるマニュアルが完成した。
結論
3年間の研究の蓄積により、当初の目標をある程度以上達成できたが、適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、さらなる研究を進めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-11-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200624001C