地域に根ざしたがん医療システムの展開に関する研究

文献情報

文献番号
200622045A
報告書区分
総括
研究課題名
地域に根ざしたがん医療システムの展開に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-若手-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
秋月 伸哉(国立がんセンター東病院 臨床開発センター精神腫瘍学開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 彰美(千葉県柏健康福祉センター)
  • 木澤 義之(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
  • 木下 寛也(国立がんセンター東病院 緩和医療科)
  • 清水 研(国立がんセンター中央病院 精神腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
専門的緩和ケアを均てん化できるようながん医療施設の地域連携モデルを構築すること。
研究方法
柏市、我孫子市、流山市を対象地区とした。地域に対する臨床介入を行い、臨床介入前後で地域緩和ケアの質の横断調査を2回行い、介入の有効性を評価するデザインとした。臨床介入として、地域がん緩和医療の実態把握とネットワークの構築、一般市民・患者向け緩和ケア教育、医療者を対象の一次緩和ケア教育、外来・入院・往診機能を持つ二次緩和ケア資源の開発、スクリーニングなどを用いた二次緩和ケア資源へのアクセス改善、家族ケアシステムの開発、を随時実行、開発していくこととした。
地域の緩和医療の質を、在宅死亡率、専門的緩和医療資源数と利用数、在宅支援診療所数、麻薬処方量、介護保険利用者数で評価することとし、2005年のベースラインと2008年の介入後を比較する。
結果と考察
本年度は臨床介入として、1)地域がん緩和医療の実態把握とネットワークの構築と、2)一般市民、患者向け緩和ケア教育、3)医療者を対象とした一次緩和ケア教育として、柏健康福祉センターで5回の症例検討会を、国立がんセンター東病院で地域公開緩和ケア勉強会を行った。次年度以降、臨床介入として往診機能を持つ緩和ケアチームの開発、スクリーニングと連動した二次緩和ケアの開発を重点的に行う予定である。
地域緩和医療の質のベースラインの横断調査として、以下の調査を行った。
・在宅死亡率
対象地区における2005年のがん死亡数は1438名であり、死亡場所は病院93.0%、自宅4.6%、診療所2.0%、施設0.1%、その他0.1%であった。
・専門的緩和医療資源数と利用数
2005年に対象地区の専門的緩和医療資源は緩和ケア病棟、精神腫瘍科外来、緩和ケアチームが1つずつであり、利用者数は、緩和ケア病棟93名、精神腫瘍科外来31名、緩和ケアチーム21名であった。
・在宅支援診療所数
2006年8月13日現在で対象地区の在宅療養支援診療所は13施設であった。
・麻薬処方量
2005年に対象地区で使用された麻薬の経口モルヒネ換算量は12,080gであった。
・介護保険利用者数
現在調査中。
結論
柏市、我孫子市、流山市における地域がん緩和医療連携のため、地域医療福祉者のネットワーク作りと、教育事業を開始した。また、地域の緩和医療の質を評価するためのベースライン調査を行った。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
-