子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200622027A
報告書区分
総括
研究課題名
子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究
課題番号
H17-がん臨床-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学医学部産婦人科学)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻木範明(北海道大学大学院医学研究科婦人科学分野)
  • 八重樫伸生(東北大学大学院医学研究科婦人科学分野 )
  • 深澤一雄(獨協医科大学産科婦人科)
  • 木口一成(聖マリアンナ医科大学産婦人科)
  • 星合 昊(近畿大学医学部産科婦人科)
  • 竹内正弘(北里大学薬学部臨床統計部門)
  • 寒河江 悟(札幌鉄道病院産婦人科)
  • 勝俣範之(国立がんセンター中央病院第1領域外来部)
  • 進 伸幸(慶應義塾大学医学部産婦人科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
28,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子宮体がん高再発危険群の予後改善を目指し、従来から標準的化学療法とされてきたDoxorubicin+Cisplatin(AP療法)とTaxane+Platinum併用療法によるランダム化比較第III相試験を実施し、それぞれの治療法の無増悪生存期間を比較することを目的とした。
研究方法
子宮体がんの予後改善を目指し、既に実施されたTaxane+Platinum療法の第II相試験の中からDP療法(Docetaxel 70 mg/m2 + Cisplatin 60 mg/m2 q3 wks)とTC療法(Paclitaxel 180 mg/m2 + Carboplatin AUC 6 q3 wks)を選択し、臨床的有効性を従来から標準治療とされてきたAP療法(Doxorubicin 60mg/m2+Cisplatin 50mg/m2 q3 wks)とのランダム化比較試験によって比較検証する。対象は、筋層浸潤1/2を超えるG2,G3のI-II期症例または残存腫瘍2 cm以下のIII-IV期の症例。primary endpointは無増悪生存期間、secondary endpointsは全生存期間、有害事象発生率、投与状況とした。必要症例数はall-pair検出力が安定して70%を超す条件から各群200例計600例となった。
結果と考察
第II相試験のIRB承認施設(約70施設)の調査により術後化学療法を行う子宮体がん症例は年間合計約500例程度であることが判明したので、年間200例程度の症例数は十分に登録可能であると判断されたことから、3群の治療法による第III相試験、すなわちAP療法を標準治療とし、奏効率の最も良かったTC療法と、奏効率と完遂率でDC療法(docetaxel+carboplatin)に勝るDP療法が試験治療として選択された。プロトコールは既に完成し、2006年9月にはJGOG臨床試験審査委員会の承認が得られ、各施設のIRBの承認のもと、同年12月より登録が開始され、2007年3月現在、IRB承認施設58施設、24症例が登録されプロトコール治療が開始されている。
結論
DP療法,DC療法,TC療法の3つの併用療法とも第III相試験を行う上で奏効率、安全性ともに十分と判断されたが、奏効率、完遂率、必要症例数の検討から試験治療としてDP療法,TC療法が選択され、国際的に標準治療と考えられているAP療法とのランダム化比較第III相試験のプロトコールを作製し、試験治療が開始された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-