文献情報
文献番号
200622009A
報告書区分
総括
研究課題名
再発高危険群の大腸がんに対する術後補助化学療法に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-031
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
森谷 宜皓(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 消化管腫瘍科)
研究分担者(所属機関)
- 近藤 征文(JA北海道厚生連 札幌厚生病院)
- 佐藤 正幸(宮城県立がんセンター)
- 池田 栄一(山形県立中央病院)
- 澤田 俊夫(群馬県立がんセンター)
- 望月 英隆(防衛医科大学校)
- 小西 文雄(自治医科大学附属大宮医療センター)
- 齋藤 典男(国立がんセンター東病院)
- 滝口 伸浩(千葉県がんセンター)
- 正木 忠彦(杏林大学医学部)
- 青木 達哉(東京医科大学病院)
- 長谷川 博俊(慶應義塾大学医学部)
- 杉原 健一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
- 炭山 嘉伸(東邦大学医療センター大橋病院)
- 赤池 信(神奈川県立がんセンター)
- 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
- 藤井 正一(公立大学法人横浜市立大学付属市民総合医療センター消化器病センター)
- 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院)
- 山田 哲司(石川県立中央病院)
- 山口 茂樹(静岡県立静岡がんセンター)
- 加藤 知行(愛知県がんセンター中央病院)
- 大植 雅之(大阪府立成人病センター)
- 三嶋 秀行(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
- 東野 正幸(大阪市立総合医療センター)
- 福永 睦(市立堺病院)
- 吉川 宣輝(箕面市立病院)
- 冨田 尚裕(独立行政法人労働者健康福祉機構 関西労災病院)
- 木村 秀幸(岡山済生会総合病院)
- 岡島 正純(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
- 高倉 範尚(広島市立広島市民病院)
- 棚田 稔(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
- 白水 和雄(久留米大学医学部)
- 北野 正剛(国立大学法人大分大学医学部)
- 島田 安博(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
45,600,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
大腸癌の術後補助療法の標準治療を確立するために、国内大腸がん治療専門施設44施設からなる臨床試験グループを組織し、StageⅢ大腸癌を対象として経口剤と静注剤による無作為化比較試験を実施する。
研究方法
JCOG0205試験を作成し、5FU+l-LV(5FU−500mg/m2、L型ロイコボリン−250mg/m2を週1回6週連続実施し、2週休薬。これを1サイクルとして3サイクル繰り返す)を標準治療、UFT/LV錠(UFT−300mg/m2/日、ロイコボリン錠−75mg/日。以上を28日間連日内服し、7日間休薬。これを1サイクルとして5サイクル繰り返す)を試験治療として、非劣性試験を実施した。主評価項目は無病生存期間、副評価項目は全生存期間、有害事象である。症例選択基準は、①組織学的に結腸、直腸の腺癌、②組織学根治度Aの手術が行われたDukes C症例、③PS 0?2、④登録時年齢75歳以下、⑤経口投与可能、⑥先行治療として外科切除以外の治療を受けていない、⑦臓器機能が十分保持、⑧術後9週以内に開始可能、⑨被験者本人の文書同意、など。予定症例数は1,100例である。再発については定期的な(術後2年までは4ヵ月毎、3年目以降は6ヵ月毎)画像診断を行い判定する。安全性評価は、自他覚症状、臨床検査値などを定期的に観察、検査を行う。有害事象の評価はNCI-CTCに従って行う。本臨床試験計画書は、各施設での倫理審査委員会において、試験実施の妥当性について科学的、倫理的審査を受け、承認されてから症例登録を開始した。試験実施時には被験者の人権に配慮し、文書による適切な説明を被験者に対して行い同意を得た。
結果と考察
平成18年11月9日までに1,101例の適格症例の登録を完了した。本年度は178例の症例登録を行った。現在、治療継続および経過観察中である。現在までに本試験で報告された有害事象は下痢、肝障害など既知の事象であり、治療関連死亡はない。本試験の実施により、国内大腸がん治療に関する臨床試験グループが確立され、今後の治療評価、均てん化に有用と考える。
結論
大腸癌術後補助療法に関するJCOG0205を実施し、平成18年11月に予定症例数の登録を完了した。今後経過観察を実施し、術後補助療法における経口抗癌剤の意義を検証することが可能である。。
公開日・更新日
公開日
2007-04-10
更新日
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