高度進行胃がんの治療に関する研究

文献情報

文献番号
200622006A
報告書区分
総括
研究課題名
高度進行胃がんの治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-028
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
笹子 三津留(国立がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎 善毅(東京都立駒込病院)
  • 木下 平(国立がんセンター東病院)
  • 小西 孝司(富山県立中央病院)
  • 田中 洋一(埼玉県立がんセンター)
  • 塚原 康生(豊中市立豊中病院)
  • 辻仲 利政(国立病院機構大阪医療センター)
  • 円谷 彰(神奈川県立がんセンター)
  • 梨本 篤(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 福島 紀雅(山形県立中央病院)
  • 古河 洋(堺市立堺病院)
  • 宮代 勲(大阪府立成人病センター)
  • 山村 義孝(愛知県がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
予後不良であるスキルス胃がんおよびこれとほぼ同等の予後を示す大型3型胃がんの予後改善を目的とする。
研究方法
治療法:ステージングのための腹腔鏡検査を受けて、腹膜播種を含めて遠隔転移がないことを確認された症例を対象に、術前TS-1+シスプラチン療法2コース後にD2以上の郭清を伴う根治手術を行い、その後は標準治療であるTS-1単剤による術後補助化学療法を1年間受けるという試験治療を評価する。腹腔鏡も含めて診断が確定した時点で、JCOGデータセンターで無作為に割り付け、対照群では手術後にTS-1単剤による補助化学療法を1年間受ける。
(倫理面への配慮)
本研究はJCOG臨床試験審査委員会および参加各施設の倫理審査委員会により審査・承認されて実施されている。年度途中で行われたプロトコール改訂についてもJCOG効果・安全性評価委員会の審査・承認後、各施設の倫理審査委員会で承認を受けて再開している。被験者には文書と口頭による充分な説明を行い、自由意志に基づいた文書による同意を取得する。
結果と考察
結果
平成18年7月に標準治療が手術単独からTS-1による術後補助化学療法1年に変更する必要があることが判明し、登録を一旦停止した。プロトコールの改訂前に16例登録したが、改訂に時間を要し、改訂後平成19年2月に登録を再開した。現在改訂プロトコールのIRB審査中施設もあり、同年度末までに改訂後1例のみ登録されている。全体として予定より低い登録集積であり、登録の鼓舞が不可欠である。また、現在までのところ、急送報告の対象となる有害事象は経験されていない。
考察
標準治療の変更により、手術単独群が無くなり、対象が予後不良であったことを考えると、これからは登録が進むと考えている。患者への説得に最大限の努力をし、症例集積を進めていく。
結論
対象疾患の標準治療の変更を受けてプロトコールの改訂を要したが、結果的にはより実施しやすいプロトコールになったので、予定期間内の登録完了を目指して試験を継続する。

公開日・更新日

公開日
2007-05-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200622006B
報告書区分
総合
研究課題名
高度進行胃がんの治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-028
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
笹子 三津留(国立がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
  • 荒井 邦佳(東京都立駒込病院)
  • 栗田 啓(国立病院機構四国がんセンター)
  • 斎藤 和好(岩手医科大学医学部第一外科)
  • 塩崎 均(近畿大学医学部外科)
  • 清水 武昭(新潟県厚生連長岡中央綜合病院)
  • 種村 廣巳(岐阜市民病院)
  • 梨本 篤(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 二宮 基樹(広島市立広島市民病院)
  • 福島 紀雅(山形県立がん・生活習慣病センター、山形県立中央病院)
  • 古河 洋(堺市立堺病院)
  • 山村 義孝(愛知県がんセンター中央病院)
  • 小西 孝司(富山県立中央病院)
  • 小林 理(神奈川県立がんセンター)
  • 高金 明典(岩手医科大学第一外科)
  • 宮下 薫(労働者健康福祉機構燕労災病院)
  • 宮代 勲(大阪府立成人病センター)
  • 岩崎 善毅(東京都立駒込病院)
  • 木下 平(国立がんセンター東病院)
  • 田中 洋一(埼玉県立がんセンター)
  • 塚原 康生(豊中市立豊中病院)
  • 辻仲 利政(国立病院機構大阪医療センター)
  • 円谷 彰(神奈川県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
予後不良であるスキルス胃がんおよびこれとほぼ同等の予後を示す大型3型胃がんの予後改善を目的とする。
研究方法
術前化学療法としてTS-1+シスプラチン療法2コースを標準治療に加えることにより、治療成績の改善を図る。まず、本治療の安全性を評価する第Ⅱ相試験を実施する。安全性を含めて治療の完遂率を評価し、妥当であれば標準治療と企画する第Ⅲ相試験を実施する。
(倫理面への配慮)
本研究は第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験ともJCOG臨床試験審査委員会および参加各施設の倫理審査委員会により審査・承認され実施されている。プロトコール改訂についてもJCOG効果・安全性評価委員会の審査・承認後、各施設の倫理審査委員会で承認を受けて再開している。被験者には文書と口頭による充分な説明を行い、自由意志に基づいた文書による同意を取得する。
結果と考察
結果
まず、平成16年度では本治療の安全性を評価する第Ⅱ相試験の結果をまとめ、治療の完遂率が妥当であり、安全性に問題ないことを確認後、標準治療と術前化学療法を加えた後に標準治療を行う群を比較する第Ⅲ相試験の計画書を書いた。同試験計画はJCOGプロトコール審査委員会で承認され、平成17年より第Ⅲ相試験を開始した。第Ⅲ相試験は、腹腔鏡検査で腹膜播種を含めて遠隔転移がないことを確認された症例を対象に行っている。18年7月の時点で、標準治療が手術単独からTS-1による術後補助化学療法1年に変更する必要があることが判明し、プロトコール改訂を行い、19年2月より登録を再開した。現在改訂プロトコールのIRB審査中施設もあり、同年度末までに改訂後の1例を含め、17例が登録されている。全体として予定より低い登録集積であり、登録の鼓舞が不可欠である。また、現在までのところ、急送報告の対象となる有害事象は経験されていない。
考察
標準治療の変更により手術単独群が無くなり、対象が予後不良であったことを考えると、試験に参加を躊躇する患者が減ると予想され、これからは登録が進むと考えられる。患者への説得に最大限の努力をし、症例集積を進めていく。
結論
対象疾患の標準治療の変更を受けてプロトコールの改訂を要したが、結果的にはより実施しやすいプロトコールになったので、予定期間内の登録完了を目指して試験を継続する。

公開日・更新日

公開日
2007-05-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200622006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
予後不良の胃がんであるスキルス胃がん(4型胃がん)とそれに類似する大型3型胃がんの予後改善目的に、TS-1+CDDP療法を術前治療として加える事の意義を検証する研究として行った。本治療の安全性は第II相試験で確認でき、第II相臨床試験としての治療効果も3年生存率で28%と予想通り高かった。現在後継の研究で第III相試験は継続中。第II相試験の結果は米国臨床腫瘍学会で発表予定。
臨床的観点からの成果
本研究の最終的成果は現在継続中の第III相試験の結果による。本研究でルーチンに行われるステージング目的の腹腔鏡はスキルス胃がんの実地臨床で広まりつつある。また、第II相試験で安全性と有効性の認められた本治療はスキルス胃がん同様予後不良な胃がんである「高度リンパ節転移例に対する術前治療+拡大根治手術の第II相試験」の治療法として採用されている。今後さらに広く治療として適応される可能性がある。
ガイドライン等の開発
第III相試験の途中であり、現時点ではガイドラインへの取り上げはされていない。
その他行政的観点からの成果
現時点では特にない。
その他のインパクト
現時点では特にない。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-09-24
更新日
-