効果的かつ効率的ながん専門医の育成方法に関する研究

文献情報

文献番号
200622002A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的かつ効率的ながん専門医の育成方法に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-024
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大江 裕一郎(国立がんセンター中央病院特殊病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 常雄(都立駒込病院)
  • 前原 喜彦(九州大学大学院)
  • 筧 善行(香川大学医学部)
  • 福岡 正博(近畿大学医学部)
  • 西條 長宏(国立がんセンター東病院)
  • 土屋 了介(国立がんセンター中央病院)
  • 片井 均(国立がんセンター中央病院)
  • 石倉 聡(国立がんセンターがん対策情報センター)
  • 木澤 義之(筑波大学臨床医学系)
  • 佐伯 俊昭(埼玉医科大学医学部)
  • 江口 研二(東海大学医学部)
  • 田村 和夫(福岡大学医学部)
  • 直江 知樹(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 杉山 徹(岩手医科大学医学部)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん対策情報センター)
  • 佐々木 康綱(埼玉医科大学医学部)
  • 秋田 弘俊(北海道大学大学院医学研究科)
  • 松野 吉宏(国立がんセンターがん対策情報センター)
  • 永田 靖(京都大学大学院医学研究科)
  • 大津 敦(国立がんセンター東病院)
  • 神津 忠彦(東京女子医科大学医学教育学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん治療のレベル向上の為には、がん専門医、特にがんに対する薬物治療の専門医などの育成が極めて重要である。がん専門医を効果的かつ効率的に育成してわが国におけるがん治療のレベルおよび治療成績の向上を目指すのが本研究の目的である。
研究方法
わが国で不足しているがん専門医を効率良く育成するためには、臨床腫瘍学の卒前教育を充実させることヘ極めて重要であるが、現在の医学教育モデル・コア・カリキュラムの腫瘍学に関連する内容は必ずしも十分ではない。そこで、医学教育モデル・コア・カリキュラムの内容を補い、がん専門医を効果的かつ効率的に育成するための卒前教育カリキュラムを検討した。
結果と考察
「効果的かつ効率的ながん専門医育成のための卒前教育カリキュラム」では、総論を、「I. がんに関する基礎知識」から「XI. 安全管理」までとし、それぞれの細項目について一般目標および到達目標を設定した。本カリキュラムでは、全ての学生が習得すべきと考えられるベーシック部分を黒字で記載し、やや専門的と思われるアドバンスド部分を青字イタリックで記載した。また、内容的に特に重要と思われる場合は、必ずしもがん診療に特化していない項目を含めているが、がん診療に必須の項目は全て網羅できるよう配慮した。各論は「1.脳神経腫瘍」から「17.HIV関連悪性腫瘍」までを、それぞれ「疫学」「病理・分類」「症候」「診断」「治療」「予後」の項目について「説明できる」「概説できる」「列挙できる」「例示できる」「不要」に分類し表にて記載した。さらに特に必要と思われる項目に関して但し書きを付けた。
本研究により、がん専門医が効果的かつ効率的に育成されれば、わが国におけるがん治療のレベル向上および治療成績の向上に直結するものと期待される。また、がんに対する薬物療法および終末期の緩和医療などをそれぞれ専門とする医師が担当することにより、治療成績の向上およびがん患者のQOL向上をもたらす以外に、不適切な医療による医療費の浪費が減少するものと期待される。
結論
卒前教育での腫瘍学教育を充実させることにより、がん専門医に効果的かつ効率的な育成が期待される。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
-

文献情報

文献番号
200622002B
報告書区分
総合
研究課題名
効果的かつ効率的ながん専門医の育成方法に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-024
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大江 裕一郎(国立がんセンター中央病院特殊病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 常雄(都立駒込病院 科学療法科)
  • 前原 喜彦(九州大学大学院 消化器・総合外科)
  • 筧 善行(香川大学医学部 泌尿器科学)
  • 福岡 正博(近畿大学医学部 腫瘍内科 )
  • 西條 長宏(国立がんセンター東病院 肺がん内科)
  • 土屋 了介(国立がんセンター中央病院 肺がん外科)
  • 片井 均(国立がんセンター中央病院 胃がん外科)
  • 石倉 聡(国立がんセンターがん対策情報センター)
  • 木澤 義之(筑波大学 臨床医学系)
  • 佐伯 俊昭(埼玉医科大学 乳腺腫瘍科)
  • 神津 忠彦(東京女子医科大学 医学教育学)
  • 江口 研二(東海大学医学部 呼吸器内科)
  • 田村 和夫(福岡大学医学部 内科学第一)
  • 直江 知樹(名古屋大学大学院医学系研究科 血液内科)
  • 杉山 徹(岩手医科大学医学部 婦人科腫瘍学)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん対策情報センター)
  • 佐々木 康綱(埼玉医科大学 臨床腫瘍科)
  • 秋田 弘俊(北海道大学 腫瘍内科学)
  • 大津 敦(国立がんセンター東病院 内視鏡部)
  • 永田 靖(京都大学 放射線腫瘍学)
  • 松野 吉宏(国立がんセンターがん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん治療のレベル向上の為には、がん専門医、特にがんに対する薬物治療の専門医などの育成が極めて重要である。がん専門医を効果的かつ効率的に育成してわが国におけるがん治療のレベルおよび治療成績の向上を目指すのが本研究の目的である。

研究方法
日本臨床腫瘍学会と共同でASCO/ESMOのグローバルコアカリキュラムを基に作成した「がん薬物療法専門医育成のためのカリキュラム」に基づき、教育セミナーおよび専門医の認定試験を実施した。また、現在の医学教育モデル・コア・カリキュラムの腫瘍学に関連する内容は十分ではなく、医学教育モデル・コア・カリキュラムの内容を補い、がん専門医を効果的かつ効率的に育成するための卒前教育カリキュラムを作成した。さらに平成16年度には、わが国の専門医制度に関するアンケート調査を実施した。
結果と考察
ASCOおよびESMOの腫瘍内科医育成のグローバルコアカリキュラムに基づき、「がん薬物療法専門医育成のためのカリキュラム」を完成させた。この教育カリキュラムに基づき日本臨床腫瘍学会と共催で教育セミナーAセッション、Bセッションを毎年各1回開催している。教育セミナーの内容は平成17年5月よりインターネットで音声付スライドとして公開しており、平成18年12月22日現在、アクセス数は約8万件に達している。
専門医制度に関するアンケート結果では基本領域・Subspecialtyの学会でがん患者の診療に携わる医師が所属している学会ではほとんどの学会で専門医制度を有していた。しかし、多くの学会では専門医のがん診療に対する比重は低く、また、認定試験における腫瘍関連の試験問題数も少なく「がん専門医」としての認定制度としては不十分であった。がん薬物療法専門医は第1回目の認定試験が平成17年11月に実施され47名が合格した。平成18年度には79名が合格し、計126名が「がん薬物療法専門医」に認定されている。本研究により、がん専門医が効果的かつ効率的に育成されれば、わが国におけるがん治療のレベル向上および治療成績の向上に直結するものと期待される。
結論
卒前および卒後での腫瘍学教育を充実させることにより、がん専門医のより効果的かつ効率的な育成が期待される。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200622002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ASCOおよびESMOの腫瘍内科医育成のグローバルコアカリキュラムに基づき、「がん薬物療法専門医育成のためのカリキュラム」を完成させた。この教育カリキュラムに基づき日本臨床腫瘍学会と共催で教育セミナーAセッション、Bセッションを毎年各1回開催して毎回500-700名が参加している。
臨床的観点からの成果
平成17年度より、がん薬物療法専門医の認定が開始され平成20年4月までに計205名が「がん薬物療法専門医」に認定されている。また、日本癌治療学会が目指していた専門医制度は、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会および全国がん(成人病)センター協議会の4組織合同で日本がん治療認定医機構を設立し、教育セミナー、試験に基づき「がん治療認定医」の認定を開始した。

ガイドライン等の開発
医学教育モデル・コア・カリキュラムの内容を補う目的で、「がん専門医を効果的かつ効率的に育成するための卒前教育カリキュラム」を作成した。また、本研究で作成、「がん専門医を効果的かつ効率的に育成するための卒前教育カリキュラム」を基に、「日本臨床腫瘍学会がん専門医育成のための卒前教育カリキュラム」(http://jsmo.umin.jp/pdf/cal_kyouiku.pdf)が作成された。

その他行政的観点からの成果
「がん専門医を効果的かつ効率的に育成するための卒前教育カリキュラム」を、がん専門医の育成に重点をおく大学での教育カリキュラムとして使用されるとともに、将来の医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に際しての参考となることを期待して作成した。

その他のインパクト
日本臨床腫瘍学会と共催している教育セミナーの内容は平成17年5月よりインターネット上で音声付スライドとして公開(http://jsmo.umin.jp/seminar_slide.html)している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
6件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
8件
日本臨床腫瘍学会教育セミナーHPアドレス http://www2.convention.co.jp/jsmo-seminar/

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-09-24
更新日
-