レトロウイルス技術による癌抗原の細胞表面上カタログ化と癌の診断治療への応用

文献情報

文献番号
200621039A
報告書区分
総括
研究課題名
レトロウイルス技術による癌抗原の細胞表面上カタログ化と癌の診断治療への応用
課題番号
H18-3次がん-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北村 俊雄(東京大学医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 野阪 哲哉(三重大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
41,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、早期診断が難しく予後が悪い膵癌およびグリオブラストーマおよび日本に多い胃癌のマーカー分子を用いた血清診断を確立することおよびこれらの癌の治療に利用可能な抗体を探すことである。
研究方法
具体的にはまず膵癌、胃癌およびグリオブラストーマの細胞株由来の分泌蛋白質および膜蛋白質をシグナルシークエンストラップ法で同定し、癌細胞マーカー候補を同定する。次に、これら癌細胞マーカー候補分子に対して抗体を作成し、患者血清中で特異的に検出できる癌マーカーの測定法を確立する。一方、これらの癌由来マーカー分子を認識する抗体が患者血清中に存在するかを調べる方法も確立する。
結果と考察
膵癌、グリオブラストーマ、ユーイング肉腫のライブラリ-を作成し、シグナルシークエンストラップのスクリーニングを行い、膵癌から419クローン、88種、グリオブラストーマから264クローン、54種、ユーイング肉腫から291クローン、94種のSSTクローンを樹立した。これらのSSTクローンを利用して現在までに膵がん由来分子に対するモノクローナル抗体を8種樹立した。今後、この方向で効率よく抗体が取得できると考えている。上記のSSTクローンを細胞チップにして、モノクローナル抗体のスクリーニングや、患者血清中に存在する癌抗原に対する抗体の検出に利用する目的のために、細胞チップ作成の基礎条件を検討し、SSTクローンを細胞チップに固定し、モノクローナル抗体に対する反応性を調べたところ、セルソーターの結果と相関が認められた。
結論
本研究で提案した方法論で各種がん細胞由来の膜蛋白質および分泌蛋白質に対するモノクローナル抗体を効率よく作成できることが実証された。

公開日・更新日

公開日
2007-05-02
更新日
-