標準的検診法と精度管理や医療経済的効果に関する研究

文献情報

文献番号
200621033A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的検診法と精度管理や医療経済的効果に関する研究
課題番号
H18-3次がん-一般-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
斎藤 博(国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診技術開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 江口 研二(東海大学医学部胸部内科学)
  • 児玉 哲郎(栃木県立がんセンター)
  • 池田 徳彦(国際医療福祉大学附属三田病院呼吸器外科)
  • 遠藤 登喜子(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター放射線科)
  • 柿沼 龍太郎(国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診技術開発部)
  • 金子 昌弘(国立がんセンター中央病院内視鏡部)
  • 村松 幸男(国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診部)
  • 光冨 徹哉(愛知県がんセンター胸部外科)
  • 濱島 ちさと(国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診技術開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
65,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
死亡率減少が実現できるがん検診精度管理体制の構築のために、精度管理状況の点検方法や検診機関選定の際の精度管理基準の設定、またデータ報告の標準化とその分析方法、都道府県の管理状況などについて検討する。
CTによる肺がん検診は将来の導入に備えて、高頻度に生ずる肺結節病変の診断基準等や、
分子マーカーによる肺がんハイリスクグループの設定を検討する。
研究方法
1.がん検診精度管理システムの構築
①がん検診精度管理点検表(CL)を改訂・完成した。②CLの実行状況と優良検診機関選定のための精度管理の必須項目(必須項目)を決定した。③老人保健事業報告(報告)集計の時期と精度の関係を検討した。④報告をWeb上で容易にかつ標準化して行える入力プログラを作成した。⑤報告の4~15年度データで精度管理指標の都道府県別の分布と評価・分析方法を検討した。
2.肺癌CT検診と肺がんリスク因子に関する検討
①すりガラス様病変(GGO)の経過、②肺がん高危険群での繰り返し検診、③EGFR変異の有無別の肺がんのリスク因子等の検討を行なった。
結果と考察
1.①CLの改訂・新規作成を行い、5がんについて実用できるCLを完成した。②日本対がん協会支部でCL実行状況は良好だったが、行なっている必須項目を仕様書中に記載しておらず、それらを仕様書に明記させて検診機関を選定すべきと判明した。必須項目を各がん検診について決定した。③④報告は現行の5月では集計が不十分で、開発した入力プログラムで適切な時期の集計が容易に可能になると示された。⑤精度管理の状況は都道府県間で格差が大きかった。
2.①2cm以下のGGO57病変の経過観察で、CT値が-500未満で、類円型/辺縁鮮明な群で増大は7%のみで、不整型/辺縁不鮮明な群、CT値が-500以上の群では増大例、切除例が多かった。②喫煙女性は男性に比べ、若年且つ少ない喫煙量で肺癌発症リスクが高く、喫煙者では逐年検診が必要と示唆された。
③喫煙はEGFR(-)肺癌のみのリスク因子(オッズ比 4.05)でありEGFR(+)とは関連していなかった。
結論
精度管理のCL作成、検診機関選定の必須精度管理項目決定を行なった。標準化入力プログラムを開発し、容易かつ適切な集計が可能となった。精度管理指標の分析方法を開発し、地域格差が明らかとなった。CT検診の診断基準やリスク因子について知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
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