生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200621031A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究
課題番号
H18-3次がん-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
津金 昌一郎(国立がんセンターがん予防・検診研究センター 予防研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科)
  • 若井 建志(愛知県がんセンター研究所)
  • 永田 知里(岐阜大学大学院医学研究科)
  • 溝上 哲也(国立国際医療センター研究所)
  • 田中 恵太郎(佐賀大学医学部社会医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
78,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人ががんを予防するために行うべき適切な生活習慣を、科学的証拠に基づいて提示するとともに、それを達成するための具体的な方法を開発し、生活習慣改善によるがん罹患率の減少をめざす。
研究方法
日本人における全がん及び主要部位がん(胃・大腸・肺・乳・肝)と野菜・果物以外の食品、Body mass index (BMI)との関連を検討した疫学研究に基づき、共通基準により連性の強さを客観的・量的に評価した。また、運動、感染、その他の要因と上記がんとの関連に関する疫学的知見を整理した。現行大規模コホート集団を用いたメタ・アナリシスにより、緑茶飲用による日本人の胃がんリスク及び、共通基準カテゴリに基づくBMIと全がん、大腸がん、乳がんリスクの量的評価を行った。がん予防をめざした生活習慣改善の具体的方法を開発評価するための介入研究として、地域集団、高危険集団などにおける介入研究を開始・進捗させた。
結果と考察
肝がんにおいてコーヒーとのprobableな負の関連、胃がんにおいて塩及び塩蔵食品とのprobableな正の関連、乳がんにおいて大豆製品とのpossibleな負の関連があると結論づけられた。BMIについては大腸がんにおいてprobableな、閉経後乳がんにおいてconvincingな正の関連があると判定された。メタ・アナリシスの結果、緑茶を1日5杯以上飲む女性では1杯未満と比較して25%胃がんのリスクが減少すると推定された。BMIについては23-24.9を基準とした場合、21未満のやせの男性で全がん死亡について1.3-1.5倍のリスク上昇が見られたのに対し、25未満を基準とした場合、25以上の男性で大腸がんの1.2-1.5倍のリスク上昇が、また、27以上の女性で乳がんの1.3-1.6倍のリスク上昇が見られた。介入研究では食事介入の効果の持続や野菜摂取及び身体活動の増加などが図れることが示された。
結論
肝がんにおいてコーヒーとのprobableな負の関連、胃がんにおいて塩及び塩蔵食品とのprobableな正の関連、乳がんにおいて大豆製品とのpossibleな負の関連があると結論づけられた。BMIについては大腸がんにおいてprobableな正の関連、閉経後乳がんにおいてconvincingな正の関連があると判定された。これらの結果については、本研究班において開設したホームページで公開し、国民への還元を図る。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
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