小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究

文献情報

文献番号
200616002A
報告書区分
総括
研究課題名
小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究
課題番号
H17-小児-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 一誠(国立成育医療センター腎臓科)
研究分担者(所属機関)
  • 本田 雅敬(東京都立八王子小児病院)
  • 服部 元史(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター腎臓小児科)
  • 森田 研(北海道大学病院泌尿器科)
  • 和田 尚弘(静岡こども病院腎臓内科)
  • 木村 利美(東京女子医科大学薬剤部)
  • 土田 尚(国立成育医療センター総合診療部)
  • 相川 厚(東邦大学医学部腎臓学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
29,990,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、わが国の小児腎移植において、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の薬物動態、有効性・安全性を検討し、用法・用量を確立するとともに、本研究結果をわが国における本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料とすることを目的とする。また、本研究を通じて、小児腎移植領域での多施設臨床試験ネットワークの構築および体制整備を行うことも目的のひとつである。
研究方法
本年度は、前年度に行った「わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査」および「米国での承認データの評価」を参考にして、わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための多施設臨床試験プロトコールを作成し、各施設の倫理委員会での審査・承認を経て試験を開始した。
結果と考察
前年度に行った「わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査」により、1.わが国の小児腎移植数が欧米に比して極端に少ないこと、2.米国及びわが国の小児腎移植でのMMF使用量は、米国等での承認用量より少ない傾向にあること、3.わが国の小児腎移植では、その用量に施設間差があり、600-1,200 mg/m2/d 分2であることが明らかとなった。また、「米国での承認データの評価」より、米国ではたった一つのSingle-arm, open-label studyにより小児適応が承認されていることも明らかになった。そこで本研究は、米国での小児承認データ及び国内の成人承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MMF薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。平成19年4月2日現在、試験実施予定機関5施設で倫理審査委員会の承認を得、2例が登録されている。
結論
わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査と米国での承認データの評価の結果をふまえ、わが国の小児腎移植におけるMMF多施設臨床試験のプロトコールを作成し、参加施設の倫理委員会での審査を経て、臨床試験を開始した。今後、速やかに、また確実に臨床試験を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-11
更新日
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