小児先天性疾患および難治性疾患における遺伝子診断法の標準化と国内実施施設の整備

文献情報

文献番号
200620044A
報告書区分
総括
研究課題名
小児先天性疾患および難治性疾患における遺伝子診断法の標準化と国内実施施設の整備
課題番号
H18-子ども-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立成育医療センター研究所小児思春期発育研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小崎 健次郎(慶応義塾大学医学部小児科)
  • 池川 志郎(独立行政法人理化学研究所・遺伝子多型研究センター)
  • 大橋 博文(埼玉県立小児医療センター遺伝科)
  • 清河 信敬(国立成育医療センター研究所、発生・分化研究部)
  • 林 泰秀(群馬県立小児医療センター)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター研究所、医療生態学研究部)
  • 小杉 眞司(京都大学医学研究科、医療倫理学・遺伝子診療部、医療倫理学、遺伝子診療学)
  • 掛江 直子(国立成育医療センター研究所、成育政策科学研究部、成育保健政策科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
38,887,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、新しい変異検出技術を取り入れた標準的遺伝子診断法の確立と、長期的に遺伝子診断を継続できる国内中核施設の拠点化により、遺伝子診断研究の成果を医療に還元する体制を整備することである。
研究方法
結果と考察欄に記述
結果と考察
診断拠点の整備:インターネットサイトの構築を、セキュリティ、利便性、将来の臨床および研究への波及効果を勘案しながら、小児内分泌学会、小児遺伝学会、小児泌尿器科学会との連携の下にすすめた。

遺伝子診断チップの作製
遺伝的異質性に富む疾患のなかで、易腫瘍発症製を有する先天奇形症候群であるヌーナン症候群およびその類縁疾患を対象として、遺伝子診断チップを作製した。また、下垂体疾患および性分化異常症において設計を終了した。

高速遺伝子変異スクリーニング法の開発
熱変性高速液体クロマトグラフィーを応用したDHPLC- COPPERプレート法により、遺伝子診断の幅広い医療応用が可能であることを30以上の遺伝子において示した。

遺伝子変異診断法の精度管理
骨系統疾患について遺伝子診断の基盤を構築し、その過程で、遺伝子診断の条件設定、標準的な遺伝子の変異解析技術の評価法を開発した。

分子細胞遺伝学的診断に必要なプローブの開発と精度管理
ハプロ不全で発症する可能性があるFISH診断対象20疾患のプローブを調整した.
遺伝子診断における費用対効果の評価と医療経済的支援体制の確立
難治性先天異常症における遺伝子診断技術に関して、WTP法(CVM法)により遺伝子診断技術の価値を計るための質問票を作成し、一般人を対象としてパイロット調査を行った。

遺伝子診断の拠点化に必要な全国的遺伝カウンセリング体制の整備
遺伝カウンセリング体制の基盤整備状況に関して調査を行った.

遺伝子診断の拠点化に伴う倫理的基盤の確立
IRBが存在しない施設も含めて、多施設が使用できる遺伝子診断同意書の雛形を、患者本人、保護者、同胞を対象として作製した。
結論
新しい変異検出技術を取り入れた標準的遺伝子診断法の確立と、長期的に遺伝子診断を継続できる国内中核施設の拠点化により、遺伝子診断研究の成果を医療に還元する体制を整備する基盤が、遺伝子診断チップの開発、高速変異スクリーニング法の開発、遺伝子診断プローブの作製、標準化のための変異パターン同定、腫瘍性疾患の解析システム、多施設で使用できる同意書雛形、遺伝カウンセラーの育成、医療経済的基盤の検討により進められた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
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