乳幼児健診をきっかけとした発達障害の早期発見支援活動とその評価に関する研究

文献情報

文献番号
200620040A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児健診をきっかけとした発達障害の早期発見支援活動とその評価に関する研究
課題番号
H18-子ども-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 則子(国立保健医療科学院 研修企画部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度の研究のねらいは、乳幼児健診における発達障害早期発見チェック項目に関するレビュー研究と、わが国の自治体における乳幼児健診の問診票に問題行動に関する項目がどのくらいあるかという実態調査と、次年度の介入研究に向けてのファシリテータの養成であった。
研究方法
乳幼児健診における発達障害早期発見チェック項目に関する文献レビューを行う。全国の都道府県市町村において、乳幼児健診での発達障害早期発見の取り組みの実態調査を行う。具体的にはSDQ(Strength and Difficulties Questionnaire) に相当する、又はこれによく似た問診項目を1歳6ヵ月児健診及び3歳児健診で使用しているかどうかについて問いかける。
結果と考察
乳幼児健診における発達障害早期発見チェック項目に関するレビュー研究を行ったところ、問題行動スケールについての文献はあるものの、公的健診を視野に置いたチェックに関する文献が探し出せなかった。このため、発達障害の疑い例等が発見された時の支援に関する育児プログラムに関する文献を検索した。海外にはこのような報告が数多く見られ、無作為化対照比較研究、対照群を置いた研究、対照群を置かずに、プログラムの前後での変化を見た文献など、それぞれ数件発見できた
わが国における発達障害早期発見のための先進的な事例に当たり、参考となる設問項目などについて整理分析を行った。このようなレビュー研究をもとに、全国の都道府県市町村において、乳幼児健診での発達障害早期発見の取り組みの実態調査を行った。設問を発送した1997自治体の内1447自治体から回答が得られ、回収率は72.5%であった。使用されていた頻度の高い問診項目は1歳6ヵ月児健診、3歳児健診ともよく似ていて、落ち着きがなく長い間じっとしていられない(多動)、一人で居ることが好きで、一人で遊ぶことが多い(交友)、かっとなり、かんしゃくを起こしたりすることが良くある(行為)、こわがりですぐおびえたりする(感情)などに関する項目がそれに当たった。
結論
わが国における子どものメンタルヘルスに関わる事業を体系的に把握し、問題点を洗い直すことで、わが国の母子保健事業の体系化に関して新しい視野を得ることができると考える。レビューの情報とアンケート調査の結果をもとに、発達障害早期発見のチェックリストを試作することが出来ると考える。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-