子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200620024A
報告書区分
総括
研究課題名
子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究
課題番号
H17-子ども-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
  • 藤岡 孝志(日本社会事業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,360,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、子どもの社会的養護サービスのあり方、およびこれと密接な関係を有する被虐待児の援助・治療のあり方を、「アタッチメント」および「生活」という面から検討することである。具体的には、2つの分担研究班を設け、分担研究1では、施設の小規模化の意義と課題を明らかにし、分担研究2では、虐待を受けた子どもとその子どもの養育支援にあたる人(里親や施設職員)との間の愛着形成をはかり、促進するためのプログラムの作成を試みた。
研究方法
研究目的を達成するために、本研究班では発達臨床心理学、児童福祉学、小児精神医学、栄養学、建築学などの領域の専門家からなる学際的な研究チームである2つの分担研究班を組織し、文献的研究、実践的研究、調査研究を行った。
結果と考察
分担研究1「子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究」
研究協力者として多領域の専門家の参加を得て、下記の研究を行った。
1)児童養護施設の小規模化に関する調査研究、2)児童養護施設の食事環境に関する調査研究、3)ヒアリング調査から見た小規模ケアの実態、4)児童養護施設の建築学的評価に関する研究、5)子どもの受けるサービスと職員の業務、および負担に関しての研究、6)乳児院・児童養護施設の小規模化を推進するにあたっての問題、7)専門里親に関する調査。
分担研究2「愛着障害の視点からの被虐待児に対する援助・治療プログラムの開発」
 愛着形成に障害をおった子どもと養育者との関係形成を促進する試行プログラムを作成した。プログラムを具体的に検討するとともに、関係者へのヒアリングを行い、実際に適用を試み(事例研究)、その結果をふまえてプログラムの再検討を行った。
結論
分担研究1では、児童養護施設における建物設備(建築学)と食事環境(栄養学)からの検討を含め、養育形態の小規模化の意義が明らかとなった。しかし、その反面、小規模化による弊害、小規模化の推進を阻害する要因も明らかとなり、これらの課題への対応が重要な課題であることが示された。
分担研究2で紹介、検討した愛着形成、愛着修復をめざした治療プログラムは、わが国の社会的養護サービス(施設養育、里親養育)において多くの面で活用できると考えられる。しかし、今後さらにこれらのプログラムが様々なところで活用され、改善されていくことが望まれる。特に、児童養護施設においては、施設内コンサルテーションの一環として、心理職によるケアワーカーに対する支援として、人生脚本や養育のためのペアレンティング技法などが活用されることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-

文献情報

文献番号
200620024B
報告書区分
総合
研究課題名
子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究
課題番号
H17-子ども-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所 )
  • 藤岡 孝志(日本社会事業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
児童虐待は、児童をめぐる今日の問題の中でもっとも重要な課題である。とくに、虐待を受けた児童を保護する場である児童福祉施設や里親(専門里親)のあり方と、虐待をうけた児童の援助、治療の方法の確立は緊急の課題といえる。そこで本研究では、第1に、乳児院、児童養護施設など児童福祉施設とともに里親制度をも視野に入れて、子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方について検討を行った。そして第2に、虐待を受けた子どもとその養育を支援する大人(施設職員、里親)とのアタッチメント(愛着)形成をはかるための治療的プログラムの作成を試みた。
研究方法
本研究では、発達心理学、臨床心理学、児童福祉学、小児精神医学、建築学、小児栄養学などの領域の専門家からなる学際的な研究チームである2つの分担研究班を組織し、文献的研究、アンケート、ヒアリング、実践的研究を行った。
結果と考察
分担研究1「子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究」では、平成17年度、(Ⅰ)社会的養護サービスのあり方に関する論考および文献研究、および(Ⅱ)社会的養護サービスのあり方に関する調査研究を、平成18年度は、前年度に実施した研究の詳細な分析などを行った。
分担研究2「愛着障害の視点からの被虐待児に対する援助・治療プログラムの開発」では、平成17年度、愛着形成に障害をおった子どもと、その養育支援を行う大人との間の関係形成をはかり、促進するための試行的プログラムを作成した。平成18年度は、そのプログラムを具体的に検討するとともに、関係者へのヒアリングを行い、実際に適用を試み(事例研究)、その結果をふまえてプログラムの再検討を行った。
結論
施設における建物設備(建築学)と食事環境(栄養学)からの検討を含め、養育形態の小規模化の意義が明らかとなるとともに、小規模化による弊害、小規模化の推進を阻害する要因も明らかとなった。愛着形成、愛着修復をめざした治療プログラムは、わが国の社会的養護サービス(施設養育、里親養育)において多くの面で活用できると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-11-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200620024C

成果

専門的・学術的観点からの成果
虐待を受けた子どもを保護し、養育する場としての児童福祉施設と里親制度を含めた社会的養護サービスのあり方に関して、施設ケアにおける小規模化の意義と、小規模化の推進を阻害する要因を、児童福祉学、心理学のみならず、児童精神医学、建築学、栄養学の専門家を含めた学際的研究チームの調査研究により、明らかにした。また、被虐待児とそのケアにあたる養育者の愛着促進をはかる治療的プログラムを開発した。
臨床的観点からの成果
施設ケアおよび里親養育における適切な養育環境、治療的プログラムの提示のみならず、施設職員や里親など支援者への研修にも活用できる。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
平成19年3月から開催されている厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課における「今後目指すべき子どもの社会的養護体制のあり方に関する構想検討会」において資料提示(平成19年4月16日)。
その他のインパクト
里親制度に関して、西日本新聞、信濃毎日新聞にとりあげられた。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
18件
「日本子ども家庭総合研究所紀要」「日本社会事業大学社会事業研究所年報」「里親と子ども」など。
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
日本社会福祉学会
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
3件
全国乳児福祉協議会研修会など。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-