文献情報
文献番号
200620020A
報告書区分
総括
研究課題名
中学生と乳幼児の交流が相互の発達に与える効果に関する研究-保育者による次世代育成をめざした子育て支援プログラムの立案と実施-
課題番号
H16-子ども-022
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
七木田 敦(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設)
研究分担者(所属機関)
- 山崎晃(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設)
- 水内豊和(富山大学発達人間科学部)
- 安井友康(北海道教育大学岩見沢校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、高校で取り組まれている「保育体験」より早期の中学生から体系的に体験できるプログラムを作成することを目的とする。
またその際、従来の学校主導ではなく、保育現場の側から、将来の親となる生徒に期待する育児意識や知識を提供するという保育者主導型のプログラムを立案し実施するというところが特徴である。
本年度の研究では、保育者主導型の保育体験プログラムに参加した保育士の意識の変容を、一般的な保育士と比較することで、明らかにすることを目的とする。
課題となっていた保育体験を通じて乳幼児への発達の寄与となるような保育体験の体系的プログラムを図ることも目的とする。
またその際、従来の学校主導ではなく、保育現場の側から、将来の親となる生徒に期待する育児意識や知識を提供するという保育者主導型のプログラムを立案し実施するというところが特徴である。
本年度の研究では、保育者主導型の保育体験プログラムに参加した保育士の意識の変容を、一般的な保育士と比較することで、明らかにすることを目的とする。
課題となっていた保育体験を通じて乳幼児への発達の寄与となるような保育体験の体系的プログラムを図ることも目的とする。
研究方法
保育体験をする中学生に対して、乳幼児の発達に関する事前指導を行い、その効果についてアンケートによって評価した。中学生を受け入れる保育士にとって、中学生の心理や行動について、理解を高めるために、研修や資料を配付した。中学生の保育体験が乳幼児の発達にとって、プラスになるような経験になるような観点を、保育体験実践研究園の保育士と、通常の保育士の意識を比較することで明らかにする。
結果と考察
乳幼児の発達に効果がある中学生の保育体験を実施している保育園の保育士は、「保育体験」の意義を中学生が発達の意義を確認するところを重要視していたのに対し、通常の「保育体験」を実施していた保育園保育士は「子育て支援」に価値を見いだしていた。また乳幼児については、中学生と触れあうことで「中学生へのあこがれ」や「恐怖心の軽減」など心理的な要因が育つことがあげられた。特に保育士は、中学生の心理や行動について、学ぶ機会が無く、そのため負担感を持つことが明らかになった。
結論
今後、中学生のカリキュラムの中で効果的な「保育体験」の教育プログラム化を進めるために、授業時間の確保などをして、事前、事後学習をすることが望まれる。また保育園においても、単に中学生を受け入れるのではなく、保育士の中学生理解と「保育体験」の意義について確認しておく必要がある。これまで中学生にとって保育体験の意義は、確認されてきたが、以上のような点から、乳幼児への「保育体験」の意義も明らかにする必要がある。
公開日・更新日
公開日
2007-04-16
更新日
-