小児難治性腎尿路疾患の早期発見、診断、治療・管理に関する研究

文献情報

文献番号
200620013A
報告書区分
総括
研究課題名
小児難治性腎尿路疾患の早期発見、診断、治療・管理に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
五十嵐 隆(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松山健(公立福生病院小児科)
  • 伊藤雄平(久留米大学医学部附属医療センター小児科)
  • 塚原宏一(福井大学医学部小児科)
  • 中井秀郎(獨協医科大学越谷病院泌尿器科)
  • 飯島一誠(国立成育医療センター腎臓科)
  • 塚口裕康(徳島大学医学部病態情報医学)
  • 関根孝司(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
  • 吉川徳茂(和歌山県立医科大学小児科)
  • 本田雅敬(東京都立八王子小児病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,951,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1) 現行の腎臓病学校検診をより有効性の高いシステムに改善する。
2) 小児難治性腎尿路疾患の有効な治療ガイドラインを作成する。
3) 先天性腎疾患の診断に必要な遺伝子診断のシステムを構築する。
4) 小児末期腎不全患者の総合的治療システムを構築し、小児腎不全治療の標準化を図る。
研究方法
1) 九州・沖縄地区の腎臓病学校検診担当者と協議し、統一マニュアルを作成する。
2) 膀胱尿管逆流を有する患者への適切な対応により、抗生物質の予防投与が原則として不必要であることを明らかにする。
3) 一般診療に役立つ先天性腎疾患診療の手引きを作成する。遺伝性腎症の原因遺伝子の異常を解析する。
4) 小児慢性腎不全データベースを構築する。小児PDマニュアルを改善する。
結果と考察
1) 九州・沖縄地区の腎臓病学校検診統一マニュアルを作成し、実施した。腎臓検診実施時とその後の情報伝達などがうまくいっていることを確認した。
2) 適切な管理下にあれば膀胱尿管逆流を有する患者には予防的な抗生物質の投与は不要である。
3) 先天性腎疾患診療の手引きを構築し、電子カルテ上で利用できるようにした。多数の先天性腎疾患の原因遺伝子の異常を解析した。
4) 慢性腎不全患児のデータベースが構築された。本年度は腎移植患者のデータベースを加えることができた。

結論
1) 腎臓病学校検診統一マニュアルを九州・沖縄地区のすべての検診担当者が利用し、好評を博した。
2) 定期的な検尿と発熱時の適切な医学的対応が抗生物質の予防投与が不要なことを明らかにした点は画期的である。
3) 先天性腎尿路疾患の手引きは一般臨床家にとっての有益なガイドラインとなった。遺伝子解析により多数の遺伝性腎疾患患者の確定診断が可能となった。
4) PDマニュアルの作成は腎不全医療の標準化に有用である。先行的腎移植が増えていること、慢性腎不全患児の生命予後が画期的に改善していることが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2008-03-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200620013B
報告書区分
総合
研究課題名
小児難治性腎尿路疾患の早期発見、診断、治療・管理に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
五十嵐 隆(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松山健(公立福生病院小児科)
  • 伊藤雄平(久留米大学医学部附属医療センター小児科)
  • 塚原宏一(福井大学医学部小児科)
  • 中井秀郎(獨協医科大学越谷病院泌尿器科)
  • 飯島一誠(国立成育医療センター腎臓科)
  • 塚口裕康(徳島大学医学部病態情報医学)
  • 関根孝司(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
  • 吉川徳茂(和歌山県立医科大学小児科)
  • 本田雅敬(東京都立八王子小児病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1) 現行の腎臓病学校検診をより有効性の高いシステムに改善する。
2) 小児難治性腎尿路疾患の有効な治療ガイドラインを作成する。
3) 先天性腎疾患の診断に必要な遺伝子診断のシステムを構築する。
4) 小児末期腎不全患者の総合的治療システムを構築し、小児腎不全治療の標準化を図る。
研究方法
1) 九州・沖縄地区の腎臓病学校検診担当者と協議し、統一マニュアルを作成する。血尿のガイドラインを作成する。
2) 膀胱尿管逆流を有する患者への適切な対応とは何かを症例への介入試験を通じて明らかにする。
3) 一般診療に役立つ先天性腎疾患診療の手引きを作成する。遺伝性腎症の原因遺伝子の異常を解析する。
4) 小児慢性腎不全データベースを構築する。小児PDマニュアルを改善する。
結果と考察
1) 九州・沖縄地区の腎臓病学校検診統一マニュアルを作成し、全地域において実施した。血尿ガイドラインを作成し、公表した。
2) 月1回の検尿、発熱時には速やかな診察、検尿を行う対応は、膀胱尿管逆流を有する患者の尿路感染の早期発見と腎障害予防に有効で、予防的な抗生物質の投与は不要である。
5) 先天性腎疾患診療の手引きを構築し、電子カルテ上で利用できるようにした。多数の先天性腎疾患の原因遺伝子の異常を解析した。
6) 透析、腎移植を含めた慢性腎不全患児の総合的なデータベースが構築され、わが国の慢性腎不全患児の全貌が明らかになった。
結論
1) 腎臓病学校検診統一マニュアルと血尿ガイドラインを九州・沖縄地区のすべての検診担当者が利用し、好評を博した。
2) 膀胱尿管逆流を有する患児には、定期的な検尿と発熱時の適切な医学的対応が有用で、抗生物質の予防投与は不要である。
3) 先天性腎尿路疾患の手引きは一般臨床家にとっての有益なガイドラインとなった。遺伝子解析により多数の遺伝性腎疾患患者の確定診断が可能となった。
4) 国際的ガイドラインを考慮したPDマニュアルの作成は腎不全医療の標準化をもたらした。

公開日・更新日

公開日
2008-03-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200620013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
九州・沖縄地区のすべての腎臓病学校検診担当者が利用できる統一マニュアルを作成し、利用に写したことは画期的成果である。今後の全国統一マニュアル作成の端緒となり、腎臓病検診の全国的な標準化を目指すことが出来る。茫乎尿管逆流を有する患児には抗生物質の予防投与は不要であることが明らかになった点も貴重な成果である。Web上での先天性腎疾患診療マニュアルの作成は一般診療への貢献が大きい。小児の慢性腎不全治療の標準化を果たすことが出来たことは学術的にも重要である。
臨床的観点からの成果
腎臓病学校検診担当者への統一マニュアルは専門家でなくとも腎臓病学校検診に適切に対応できる状況を作り、わが国の腎臓病学校検診の標準化を期待できる。膀胱尿管逆流を有する患児への抗生物質の予防投与を止めることは、患児への負担を減少させ、医療費削減に寄与する。多数の先天性腎疾患を有する患児の遺伝子異常を明らかにしたことにより、最終診断に大きな貢献をした。小児の慢性腎不全治療の標準化により慢性腎不全患児のQOLの向上に寄与した。
ガイドライン等の開発
1) 九州・沖縄地区の腎臓病学校検診統一マニュアルの作成
2) 血尿ガイドライン(日本腎臓学会、小児腎臓病学会、本研究班との共同)の作成
3) 先天性腎疾患診療マニュアルのWeb上での公開
4) 小児PD(腹膜透析)患者の至適透析ガイドラインの作成
その他行政的観点からの成果
わが国の腎臓病学校検診すべてを同じ方式にて行うことは、検診の質を保ち、検診の向上を図る上で不可欠である。さらに、同一の検診方式によるデータは行政にとっても信頼性の高いデータとなる。
その他のインパクト
2006年2月に厚生労働科学研究(小児疾患臨床研究)が主催した「小児腎臓病治療の進歩」研究成果発表会において、開催に協力した。

発表件数

原著論文(和文)
34件
原著論文(英文等)
111件
その他論文(和文)
165件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
220件
学会発表(国際学会等)
38件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kitanaka S, Sato U, Maruyama K, et al.
A compound heterozygous mutation in the BSND gene detected in Nartter syndrome type IV
Pediatr Nephrol , 21 (1) , 190-193  (2006)
原著論文2
Mori Y, Hiraoka M, Suganuma N, et al.
Urinary creatinine excretion and protein/creatinine ratios vary by body size and gender in children
Pediat Nephrol , 21 (3) , 683-687  (2006)
原著論文3
Kitamura A, Tsukaguchi H, Iijima K, et al.
genetics and clinical features of 15 Asian families with steroid^resistant nephrotic syndrome.
Nephrol Dial Yransplant , 21 (12) , 3133-3138  (2006)
原著論文4
Yoshikawa N, Honda M, Iijima K, et al.
Steroid treatment for severe childhood IgA nephropathy: A randamized controlled trial
Clin J Am Soc Nephrol , 1 (4) , 511-517  (2006)
原著論文5
Hoshii S, Wada N, Honda M, et al.
A survey of peritonitis and exit-site and /or tunnel infctions in Japanese children on PD
Pediatr Nephrol , 21 (7) , 828-834  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-