文献情報
文献番号
200620011A
報告書区分
総括
研究課題名
先天異常モニタリング・サーベイランスに関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
平原 史樹(横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学(産婦人科))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,032,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
われわれを取り巻く環境因子にはさまざまな形で生命に影響を及ぼしている.これらの中に存在する薬剤、環境因子をはじめとした様々な外的先天異常発生要因を常時継時的に定点監視し,何らかの変動を早期に感知して、その変動を分析するシステム(先天異常モニタリング・サーベイランスシステム)は母児の健康維持,健康政策上きわめて重要であり,本研究では,そのシステムの維持とより優れた機構の設定のあり方を検討することとした.
研究方法
本研究はこの先天異常発生要因の存在を疫学的観点から全国レベル(日本産婦人科医会)、地域(東海3県、神奈川県、石川県)において解析検討し,また2000年12月に厚生省より通知された葉酸による神経管閉鎖障害の発生リスク低減への情報提供に基づく一般女性への浸透状況,神経管閉鎖本研究はこの先天異常発生要因の存在を疫学的観点から全国レベル(日本産婦人科医会)、地域(東海3県、神奈川県、石川県)において解析検討し,また2000年12月に厚生省より通知された葉酸による神経管閉鎖障害の発生リスク低減への情報提供に基づく一般女性への浸透状況,神経管閉鎖障害発生動向等の検討をあわせおこなうと同時にその栄養学的視点から若年女性の葉酸摂取状況,食品中の葉酸含有レベルの検討を行なった。
結果と考察
いずれのモニタリングにおいても先天異常児出産頻度は2%弱であり、心室中隔欠損が最も多く、ついで口唇・口蓋裂、ダウン症、耳介低位,水頭症,十二指腸・小腸閉鎖,が高頻度発生異常であった。昨年の調査と比し、若干の順位の入れ替えはあるものの上位の高頻度異常はほぼ同様の傾向であった。神経管閉鎖障害の一つである髄膜瘤は1998年以降,引き続いて微増傾向を示す一方、妊娠女性の葉酸摂取の認識度は改善されておらず,さらなる情報伝達方法の検討が必要と考えられた。さらに、不妊治療が行なわれた事が判明した237例の先天異常症例について検討を行ない、心臓血管異常18.2%,四肢形成形態異常12.9%,などは若干高頻度を示した。
結論
われわれを取り巻く環境因子は多種多様で複合的である,先天異常モニタリングシステムによる鋭敏な変動感知のシステムは全国レベルの疫学的調査を継続的に維持していくことが何より重要である.
公開日・更新日
公開日
2008-05-09
更新日
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