小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200620007A
報告書区分
総括
研究課題名
小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 忠明(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 武井修治(鹿児島大学医学部保健学科)
  • 原田正平(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部 )
  • 掛江直子(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部 )
  • 内山聖(新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野)
  • 藤枝憲二(旭川医科大学小児科)
  • 伊藤善也(日本赤十字北海道看護大学基礎科学講座)
  • 小池健一(信州大学医学部小児科)
  • 西牧謙吾(国立特殊教育総合研究所教育支援研究部)
  • 及川郁子(聖路加看護大学看護学部)
  • 斉藤進(日本子ども家庭総合研究所)
  • 佐々木りか子(国立成育医療センター病院皮膚科)
  • 柳澤正義(日本子ども家庭総合研究所)
  • 別所文雄(杏林大学医学部小児科)
  • 森川昭廣(群馬大学医学部小児科)
  • 石澤瞭(国立成育医療センター病院第一専門診療部)
  • 杉原茂孝(東京女子医科大学東医療センター小児科)
  • 伊藤道徳(香川小児病院)
  • 飯沼一宇(石巻赤十字病院)
  • 松井陽(筑波大学大学院臨床医学系小児科)
  • 有賀正(北海道大学大学院医学研究科小児科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児慢性特定疾患治療研究事業(以下、小慢事業)は、平成10年度以降、医療意見書を申請書に添付させ、診断基準を明確にして小児慢性特定疾患(以下、小慢疾患)対象者を選定する方式に、全国的に統一されている。そこで10-17年度小慢事業の全国的登録状況を横断的かつ縦断的に集計・解析した。
研究方法
平成19年1月末までに全国の実施主体から厚生労働省に事業報告が行われた電子データをもとに、全国的な疫学調査等を行った。また、今後のより良い小慢事業の方向性を示すため、20歳以降医療費助成を受けられなくなるキャリーオーバー患者の実態調査、各種の医療費助成制度において対象外になりやすい皮膚疾患の検討、教育との連携、療養支援のあり方等を調査研究した。そして、新たな小慢事業の登録・管理ソフトの問題点を検討した。文部科学省・厚生労働省「疫学研究に関する倫理指針」を遵守して研究を実施した。
結果と考察
平成10-17年度小慢事業から合計延べ839,478人分の資料を利活用し、疾患ごと、及び疾患群ごとの都道府県等別、男女別、診断時・発病時年齢別、症状別、検査結果別、合併症の有無別、経過別等に詳細に解析した。個人情報に全く触れない統計情報は、解析結果の詳細をホームページに掲載する等の各種の情報提供を行った。16年度の登録は、それ以前と比較して、各疾患の登録割合に大きな差はなかったが、「ぜんそく」は減少した。ことに新規登録者、また中等症や重症者の頻度と割合が減少した。小児気管支喘息治療・管理ガイドラインの普及によると考えられる。16年度に登録が非継続となった一部の症例の転帰を調査し、死亡に至るまでの経過を調査できることが判明した。今後は小慢疾患の発症から転帰まで解析できることが期待される。17年度は、悪性新生物は病理診断名と部位診断名、慢性腎疾患は病理診断名、また細分類化された疾患名や新規対象疾患が登録されていたので、今後のデータ解析が期待される。医師向けの小児慢性疾患マニュアルを作成、発刊した。全国の実施主体の担当者を対象に講習会を実施した。
結論
平成10-17年度小慢事業の延べ839,478人分の電子データ解析結果を基に、法制化後の小慢事業のQ&A案、改正早見表案等、また、医療意見書の内容を電子データとして入出力するソフトを作成、配布した。今後の小慢事業のあり方、キャリーオーバー対策、小児皮膚疾患対策等を検討した。

公開日・更新日

公開日
2008-03-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200620007B
報告書区分
総合
研究課題名
小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 忠明(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 武井修治(鹿児島大学医学部保健学科)
  • 原田正平(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
  • 掛江直子(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
  • 内山聖(新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野)
  • 藤枝憲二(旭川医科大学小児科)
  • 伊藤善也(日本赤十字北海道看護大学基礎科学講座)
  • 小池健一(信州大学医学部小児科)
  • 西牧謙吾(国立特殊教育総合研究所教育支援研究部)
  • 及川郁子(聖路加看護大学看護学部)
  • 斉藤進(日本子ども家庭総合研究所)
  • 佐々木りか子(国立成育医療センター病院皮膚科)
  • 柳澤正義(日本子ども家庭総合研究所)
  • 別所文雄(杏林大学医学部小児科)
  • 森川昭廣(群馬大学医学部小児科)
  • 石澤瞭(国立成育医療センター病院第一専門診療部)
  • 杉原茂孝(東京女子医科大学東医療センター小児科)
  • 伊藤道徳(香川小児病院)
  • 飯沼一宇(石巻赤十字病院)
  • 松井陽(筑波大学大学院臨床医学系小児科)
  • 有賀正(北海道大学大学院医学研究科小児科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児慢性特定疾患治療研究事業(以下、小慢事業)は、平成10年度以降、医療意見書を申請書に添付させ、診断基準を明確にして小児慢性特定疾患(以下、小慢疾患)対象者を選定する方式に、全国的に統一されている。そこで10-17年度小慢事業の全国的登録状況を横断的かつ縦断的に集計・解析した。
研究方法
平成19年1月末までに全国の実施主体から厚生労働省に事業報告が行われた電子データをもとに、全国的な疫学調査等を行った。また、今後のより良い小慢事業の方向性を示すため、20歳以降医療費助成を受けられなくなるキャリーオーバー患者の実態調査、各種の医療費助成制度において対象外になりやすい皮膚疾患の検討、教育との連携、療養支援のあり方等を調査研究した。そして、新たな小慢事業の登録・管理ソフトを作成、配布した。文部科学省・厚生労働省「疫学研究に関する倫理指針」を遵守して研究を実施した。
結果と考察
平成10-17年度小慢事業から合計延べ839,478人分の資料を利活用し、疾患ごと、及び疾患群ごとの都道府県等別、男女別、診断時・発病時年齢別、症状別、検査結果別、合併症の有無別、経過別等に詳細に解析した。個人情報に全く触れない統計情報として解析結果の詳細をホームページに掲載する等の各種の情報提供を行った。16年度に登録が非継続となった一部の症例の転帰を調査し、死亡に至るまでの経過を調査できることが判明した。今後は小慢疾患の発症から転帰まで解析できることが期待される。17年度は、悪性新生物は病理診断名と部位診断名、慢性腎疾患は病理診断名、また細分類化された疾患名や新規対象疾患が登録されていたので、今後のデータ解析が期待される。学校向け、また医師向けの小児慢性疾患マニュアルを作成した。全国の実施主体の担当者を対象に講習会を2回実施した。
結論
平成10-17年度小慢事業の延べ839,478人分の電子データ解析結果を基に、小慢事業の法制化に必要な大臣告示案、局長通知案、課長通知案、福祉係からの事務連絡案、改正早見表案、改正医療意見書案等、また、その意見書の内容を電子データとして入出力するソフトを作成した。それらの早見表、医療意見書、及びソフトは、厚生労働省等を通じて全国に配布した。法制化後の小慢事業のQ&A案を作成した。今後の小慢事業のあり方、キャリーオーバー対策、小児皮膚疾患対策等を検討した。

公開日・更新日

公開日
2008-03-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200620007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
平成10~17年度小児慢性特定疾患治療研究事業の合計延べ839,478人分の資料を利活用し、個人情報保護に十分配慮しながら全国の疫学調査、縦断的解析を行い、結果をホームページ等に公表した。解析結果を基に、当該事業の法制化に必要な大臣告示、局長通知、課長通知等に関する資料を、また改正早見表案、改正医療意見書案、そして意見書の内容を電子データとして入出力するソフトを作成した。それらの早見表、医療意見書、及びソフトは、厚生労働省等を通じて全国に配布された。さらに法制化後の当該事業のQ&A案を作成した。
臨床的観点からの成果
小児慢性疾患に関する各種の解析とともに、20歳以降医療費助成を受けられなくなるキャリーオーバー患者の実態調査、各種の医療費助成制度において対象外になりやすい皮膚疾患の検討、教育との連携、療養支援のあり方等を調査研究した。そして、学校向け、また医師向けの小児慢性疾患マニュアルを作成した。今後は、悪性新生物は病理診断名と部位診断名、慢性腎疾患は病理診断名、また細分類化された疾患や新規対象疾患に関する解析、及び、個々の小児慢性疾患に関する発症から転帰までの経過の解析が期待される。
ガイドライン等の開発
平成16年11/18:国会の参議院厚生労働委員会で報告した。17年2/21、6/20と18年5/12:母子保健課福祉係からの事務連絡「小児慢性特定疾患治療研究事業Q&Aの送付について」の資料を作成した。18年1/13と18年9/22:実施主体の担当者を対象にした当該事業の講習会を、厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課福祉係長と共に開催した。18年3/14日~10/30:計9回開催された文部科学省中央教育審議会特別支援教育専門部会にて、特別支援教育の必要な小児慢性疾患患児に関して報告した。
その他行政的観点からの成果
平成16年11/26:第159回国会に資料を提出し、小児慢性特定疾患治療研究事業を法律上位置付け、安定的な制度とすること等を内容とする「児童福祉法の一部を改正する法律案」が成立した。17年2/10:厚生労働大臣告示の資料を作成した。17年2/21:厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知「新たな小児慢性特定疾患対策の確立について」、母子保健課長通知「小児慢性特定疾患治療研究事業の適正化について」の資料を作成した。17年4/1:当該事業は法律に基づく安定的制度となった。
その他のインパクト
各疾患が治療されている医療機関の情報を、セキュリティ保持等の条件を付けて患児家族へ情報提供した。小児慢性疾患の講演は14件、またホームページは、当該事業の法制化に関連した内容が37個「http://www.nch.go.jp/policy/syorui/syorui0.htm」、当該事業の登録人数やその詳細に関した内容(全国で10人以上登録された小児慢性疾患に関する各種統計情報を含む)が596個である「http://www.nch.go.jp/policy/shoumann.htm」等。

発表件数

原著論文(和文)
6件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
236件
その他論文(英文等)
153件
学会発表(国内学会)
41件
学会発表(国際学会等)
19件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
63件
その他成果(普及・啓発活動)
14件
小児慢性特定治療研究事業の講習会、http://www.nch.go.jp/policy/shoumann.htm等

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
桝村智美、加藤忠明、原田正平他
小児慢性特定疾患治療研究事業における登録状況の解析(横紋筋肉腫を例として)
小児保健研究 , 65 (3) , 462-466  (2006)
原著論文2
加藤忠明
法制化された小児慢性特定疾患治療研究事業について
和泉短期大学研究紀要 , 26 , 27-31  (2006)
原著論文3
顧艶紅、加藤忠明、原田正平他
日本のMenkes病に関するTwo-source capture recapture methodを用いた発症率の再検討
日本先天代謝異常学会雑誌 , 22 (1) , 84-87  (2006)
原著論文4
上原里程、中村好一、加藤忠明他
小児慢性特定疾患治療研究事業へ登録された川崎病患者の疫学特性
小児科診療 , 69 (6) , 897-900  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-