高齢者の終末期医療・ケアの地域連携モデルの構築と終末期ガイドライン作成

文献情報

文献番号
200619099A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の終末期医療・ケアの地域連携モデルの構築と終末期ガイドライン作成
課題番号
H18-長寿-一般-041
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
三浦 久幸(国立長寿医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 一光(国立長寿医療センター)
  • 武田 章敬(国立長寿医療センター)
  • 山本 楯(山本医院)
  • 林 尚子(国立長寿医療センター)
  • 井上 豊子(介護老人保健施設 ルミナス大府)
  • 畑 恒土(医療法人あいち診療会)
  • 丸口 ミサエ(国立看護大学校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
これまでの研究事業で、主任研究者らは、適切な終末期医療のあり方と、医療と福祉の連携を図っていく方策を検討してきた。この結果、高齢者の終末期の地域連携を進めるに際し、主治医制度、自己決定、リビングウィル・事前指示書、医療倫理委員会、法制化、介護・福祉施設のハード・ソフト面など多岐にわたる問題があることが明らかとなった。本研究では国立長寿医療センター内での使用に耐えうる、高齢者終末期ガイドラインの作成を試みると共に、同センターを中核病院とする終末期の地域連携の確立を目的として、事前指示書など「自己決定」を施設間で共有するシステムの構築を一つの目的としている。
研究方法
全体研究では、病院内及び施設での施用に耐えうる事前指示書を作成する。分担研究ではガイドライン作成のための基礎資料として提供するために、後ろ向き研究を通じた高齢者の各病態別の決断分岐図の作成を進め、疾患・病態別に治療・ケアの有用性評価など解析を行う。また、高齢者に特徴的な疾患や在宅ターミナルの現状評価と病院や施設との連携のありかた等を実態調査やアンケート調査をもとに検討した。事前指示書の運用については病院の倫理委員会の承認後行う。
結果と考察
1)事前指示書「私の医療に対する希望(終末期になったとき)」の作成、2)センター病院における入院患者と救急外来患者での死亡例について、終末期医療の実態解析、3)終末期医療倫理委員会のあり方の検討、及び4)介護・福祉施設、在宅医療における終末期の問題点と今後の連携のありかたを検討した。今回開発した事前指示書は、かかりつけ医や施設との共用に耐えうる書式として作成した。この文書を患者・家族の自己決定のための支援ツールとして実際に運用しつつ、病院・施設間の連携に応用できるようにさらに検討を進めている。
結論
本研究では高齢者終末期ガイドラインの作成と国立長寿センターを地域の基幹病院とする終末期の地域連携の確立を目的としている。H18年度は病院・施設に共通した施用に耐えうる事前指示書の作成及び「終末期医療倫理委員会」の設置準備を進めた。H19年の初めより同センターで施用開始予定である。さらにこれまで進めてきた決断分岐図を用いた終末期の病態別の症例解析結果と併せ終末期ガイドラインを構築する予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-30
更新日
-