大都市圏脳卒中診療連携体制の構築―ニーズと資源のマッチング用データベースを用いたリハビリテーション医療連携システムの開発と効果の実証―

文献情報

文献番号
200619097A
報告書区分
総括
研究課題名
大都市圏脳卒中診療連携体制の構築―ニーズと資源のマッチング用データベースを用いたリハビリテーション医療連携システムの開発と効果の実証―
課題番号
H18-長寿-一般-039
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
里宇 明元(慶應義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 則宏(慶應義塾大学 医学部神経内科学教室)
  • 塩川 芳昭(杏林大学 医学部脳神経外科学)
  • 武林 亨(慶應義塾大学 医学部公衆衛生学教室)
  • 長谷 公隆(慶應義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室)
  • 岡島 康友(杏林大学 医学部リハビリテーション医学)
  • 藤谷 順子(国立国際医療センター リハビリテーション科)
  • 小林 一成(東京女子医科大学 リハビリテーション科)
  • 水間 正澄(昭和大学 医学部リハビリテーション医学診療科)
  • 田中 清和(JR東京総合病院 リハビリテーション科)
  • 田中 尚文(独立行政法人国立病院機構 村山医療センター リハビリテーション科)
  • 水野 勝広(東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション科)
  • 安藤 高朗(医療法人社団永生会 永生病院 内科)
  • 飯田 達能(医療法人社団永生会 永生病院 内科)
  • 尾花 正義(財団法人東京都保健医療公社 荏原病院 リハビリテーション科)
  • 鴨下 博(財団法人東京都保健医療公社 多摩北部医療センター リハビリテーション科)
  • 中島 英樹(東京都立豊島病院 リハビリテーション科)
  • 辻 哲也(慶応義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室)
  • 木谷 哲三(財団法人 世田谷区保健センター 相談訓練課)
  • 沼田 美幸(セコム医療システム株式会社 訪問看護ステーション看護部)
  • 森 英二(医療法人社団涓泉会 山王リハビリテーションクリニック)
  • 山岸 徳男(東京都福祉保健局医療政策部)
  • 牛場 潤一(慶応義塾大学 理工学部生命情報学科)
  • 野村 憲弘(野村法律事務所)
  • 吉永 勝訓(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 高木 博史(埼玉県総合リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大都市圏における脳卒中診療は、大きな人口規模、広域的診療圏、急性期と回復期・維持期資源の不均衡を特徴とし、地域完結型診療体制をそのまま適用できない。本研究は実効性のある診療連携が未確立な大都市圏における急性期からの一貫したリハ提供体制の実現を目的としている。
研究方法
3年間で大都市圏における診療実態と連携阻害要因の分析及びITを活用した連携ネットワークの構築を行う。平成18年度は現状把握のためのレビュー、実態調査、連携阻害要因に関するWebアンケート、連携マッチングシステム「リハナビ東京」の基本設計を行う。
結果と考察
【結果】
1.レビュー:脳卒中診療連携について、疾病管理モデル、日本の現状、行政及び医師会の立場からみた課題をレビューした。
2.実態調査:参加施設において以下の調査を行うとともに、連携システム導入効果検証のためのプロトコールを作成した。
1)急性期:大学病院における脳卒中診療動向、リハ志向型超急性期管理プログラムと地域連携体制の検証、北多摩南部医療圏における脳卒中診療ネットワーク、地域密着型大学病院におけるリハ医療と連携、急性期脳卒中診療における社会的要因の実態、急性期病院からの転院決定に関与している条件。
2)回復期:回復期病棟における現状、リハ手帳併用による地域リハ推進、北多摩西部医療圏内の地域リハ関連事業。
3)維持期:南多摩保健医療圏における診療連携、通所介護施設におけるリハ効果。
3. Webアンケート:参加施設のスタッフ(急性期74名、回復期189名)を対象にWebアンケートを行い、リハ資源の不足および情報不足により連携が不十分な現状が明らかとなった。
4. 「リハナビ東京」の構築:課題解決の仮説検証を支援し、かつ、参加施設間の情報交換、研究成果共有にも活用可能な専用ポータルサイトを立ち上げた。さらにリハ資源データベースの項目とスキームを検討し、併せて近隣県(千葉、埼玉)の現状を調査した。
【考察】 従来、大都市圏における脳卒中診療連携に関する実践的報告は限られている。本年度の成果を踏まえ、今後、患者・家族、市民に対するアンケート及びマッチングシステムの実用化と実証試験を行う。首都圏に一貫した脳卒中リハ診療連携体制が構築されることにより、健康寿命の延伸、医療経済の効率化に貢献することが期待される。
結論
ITを活用したリハ診療連携体制構築のための基盤が整備された。今後、システムの実用化と効果の実証を行う。

公開日・更新日

公開日
2007-05-24
更新日
-