効果的な介護予防ケアマネジメント技法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200619072A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な介護予防ケアマネジメント技法の開発に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 出江 紳一(東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座肢体不自由学分野)
  • 小坂 健(東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成18年度より介護予防が本格的に始まった。その効果をさらに上げるための技法開発を目的として、介護予防ケアマネジメントと口腔機能向上のあり方について検討した。
研究方法
1) 介護予防サービス利用者における予後予測システムの開発:介護予防ケアマネジメント時に、日常生活の状況や心理社会的状況などを併せて調査する。その後、対象者の生活機能を定期的に追跡調査する。これにより、一次アセスメント情報から一定期間後の生活機能レベルを予測する統計解析システムを開発する。
2) 介護予防ケアマネジメントに対するコーチング技法の応用:対象者の意欲を引き出すための支援策として、コーチング技法を応用する。地域包括支援センター職員を対象にコーチング研修を実施し、その効果を評価する。
3) 口腔機能向上プログラムと医療との連携:通所介護施設の利用者約100名を対象に、歯科口腔状態に関する診察・検査、基本チェックリスト・生活習慣・全身疾患などに関する調査を行った。
4) 生きがいと死亡リスクに関する前向きコホート研究:地域住民約5万人を対象に、生きがいの有無が死亡リスクに及ぼす影響を7年間の追跡調査により解明した。
5) 倫理上の配慮:上記の研究全てが所属施設の倫理委員会で承認されている。
結果と考察
1) 介護予防サービス利用者における予後予測システムの開発:調査対象の地域包括支援センターと協議を重ねて、調査項目や調査方法などを確定し、パイロット調査を行った。平成19・20両年度で、約1,000名のデータを収集する予定である。
2) 介護予防ケアマネジメントに対するコーチング技法の応用:調査対象の地域包括支援センターやコーチング実施機関と協議を重ねて、研修カリキュラムを作成した。それを他地区で試行し、来年度の本格実施に向けた準備を整えた。
3) 口腔機能向上プログラムと医療との連携:介護予防サービス利用者の半数以上は口腔内の問題を抱えており、歯科医療が必要であった。介護予防の推進には、歯科医療との連携が不可欠であると思われた。
4) 生きがいと死亡リスクに関する前向きコホート研究:生きがいのある者に比べ、ない者では全死因死亡リスクが1.5倍に増えた。それは脳血管疾患と外因死の死亡リスク上昇に起因した。
結論
正確な予後予測とコーチング技法により、介護予防ケアマネジメントがさらに円滑かつ効果的に行われる。口腔機能向上と歯科医療との連携システムの構築が急務である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-