認知機能に着目した新たな介護予防プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200619071A
報告書区分
総括
研究課題名
認知機能に着目した新たな介護予防プログラムの開発に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
田高 悦子(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、65歳以上の高齢者(特定高齢者)のうち、認知機能低下の予防のニーズが高いと考えられる軽度認知機能低下者、もしくはそのおそれのある者(mild cognitiveimpairment)を対象として、新たな介護予防技術を取り入れたハイリスクアプローチプログラム(認知機能と生活習慣についての健康学習,日記法による生活習慣のセルフリフレクション,回想法や身体運動を取り入れたグループアクティビティによる対人交流,3カ月間)の効果を検証することである。
研究方法
研究対象は、A県 a市 a地区(旧 a村)に在住する研究目的に掲げた対象包含基準を満たす65歳以上高齢者で、自らの自由意思によりプログラム参加の意思を表明した介入群 24名および同様にプログラム非参加の意思を表明した対照群 24名である。本研究は「疫学研究に関する倫理指針」に従うとともに、特に、研究対象者に対するプログラム内容の説明についての十分な説明ならびに自由意志による同意取得に留意した。
結果と考察
本研究の評価指標は、評価指標は、認知機能(MMSE)、前頭葉機能(FAB)、生活機能(老研式活動能力指標)および健康関連QOL(SF-12)他である。介入の結果、前頭葉機能(FAB)、生活機能(TMIGによる社会的役割)およびQOL(SF-12 身体健康度関連QOL)について、介入群と対照群との間に有意な差が認められ、介入群では対照群に比して、ベースラインからフォロアップまでの3カ月間にこれらの有意な機能の改善が認められたのに対し、対照群では不変もしくは機能の低下が認められた。
結論
高齢者の認知機能(MCI)に着目した新たな介護予防技術(認知機能と生活習慣についての健康学習,日記法による生活習慣のセルフリフレクション,回想法や身体運動を取り入れたグループアクティビティによる対人交流)は、高齢者の認知機能および生活機能(社会的役割)ならびにQOL(身体健康度関連)に有効であることが示唆された。今後は、予防効果の高い対象者の把握方法やプログラム終了後のグループの自主化への支援方法などの検討が課題である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-