高齢者車いす選択ガイドラインの開発

文献情報

文献番号
200619066A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者車いす選択ガイドラインの開発
課題番号
H18-長寿-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 秀行(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
必要性:高齢者の座位時間が増加し、車いすは標準型車いすが中心となっており、褥瘡発生や身体拘束をはじめ、生活機能低下、介護量増加など多くの問題が起きている。目的:車いすを使用する高齢者の座位生活を改善し、褥瘡や脊柱変形を防止することを目的に車いす・座位保持装置選択のためのガイドランを開発する。計画:19年度はガイドライン第1弾での仮説に基づいた検証を開始する。その為、介入(座位保持装置と除圧動作)の影響を把握する目的で創傷専門看護師に有効性に関する評価を行なう。また、車いす上での褥瘡リスクの把握に関する研究は継続する。20年度に向けて、姿勢への接触圧の影響および生命予後に関する事前調査を実施する。
目標:1)車いす選択ガイドライン第1版の開発2)長時間接触圧測定手法による座位時褥瘡リスク評価手法の開発3)座位姿勢簡易測定手法の開発4)高齢者に対する座位保持の有効性に関する検討


研究方法
1)文献より2)高齢者車いす上で、初めに2枚の接触圧測定シートをクッションの上下に短時間敷き、下面と上面の接触圧の関係を把握する。次に、2時間クッション下に敷き、そのデータから上面の接触圧を推測する。接触圧とその経過時間から過去のデータによりリスクを推測する。これら算出手法の開発を行なう。3)PTOTとエンジニアによる開発グループで検討を重ね、簡易版の計測手法と同時にソフト開発を行なった。4)車いす上で発生した尾骨部褥瘡に対して座位を維持しながら治癒させるシングルスタディを実施した。
結果と考察
1)褥瘡発生および褥瘡リスクから車いすガイドライン第1版を作成した。2)長時間計測から褥瘡リスクを導出する手法を開発した。本手法で他データを算出すると同時に、高齢者の日常生活能力から推測する手法を検討する。3)カメラ手法によって臨床場面でも計測できる原案およびソフトを開発し、国際会議およびISO会議で報告した。4)シングルケースについて検討したが、これはガイドラインの検証ともなり、更なる症例および評価者の対応も含めて次年度も実施する。
結論
車いすガイドラインをまず開発し、それを検証および改良する手法ですすめた。次年度も本手法で進めると同時に、最終的にガイドラインのEBMを確立するための大規模検証の準備としていく。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-