治験推進研究

文献情報

• 文献番号: 200617001A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 治験推進研究
• 課題番号: H18-治験-001
• 研究年度: 平成18(2006)年度
• 研究代表者(所属機関): 社団法人 日本医師会(社団法人 日本医師会)
• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 治験推進研究
• 研究開始年度: 平成18(2006)年度
• 研究終了予定年度: 平成18(2006)年度
• 研究費: 1,354,692,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

本事業は、画期的な医薬品等の創製に資するため、治験に関連する環境を整備し、質の高い治験の速やかな実施可能体制を構築し、我が国の治験推進研究事業を遂行し健康福祉関連施策の高度化に資することを目的とする。また、医療上必須又は画期的医薬品等を国民に速やかに提供するため、複数の医療機関でネットワークを構築し、治験実施基盤整備のモデル研究を行う。

研究方法

以下の研究課題の募集、採択を通じ、目的を達成することとした。
1治験の計画に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料を作成し、大規模治験ネットワーク登録医療機関の中から治験実施医療機関の選定に関する準備を行う）
2治験の調整、管理に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料が既に作成されているものに対して、実際に治験が実施される際の中心となる治験調整医師として、大規模治験ネットワーク登録医療機関の中から治験実施医療機関の選定、治験の実施に係る調整、管理を行う）
3治験の実施に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料が既に作成されているものに対して、大規模治験ネットワーク登録医療機関の中から選定された治験実施医療機関が治験を実施する）
4地域治験ネットワークの整備に関する研究（大規模治験ネットワークに登録している医療機関群でネットワークを構成した「地域治験ネットワーク」が治験推進体制を充実、強化する）

結果と考察

医師主導治験に関しては、平成18年度に新規62課題及び継続72課題の計134課題を採択した。なお、本研究事業における主任研究者は「治験の計画に関する研究」「治験の調整、管理に関する研究」「治験の実施に関する研究」及び「地域治験根とワークの整備に関する研究」における各申請者であり、合計で132名存在する。また、国内で質の高い治験実施のため、治験に関する全国規模のネットワーク「大規模治験ネットワーク」を構築すべく、全国の医療機関を対象に登録医療機関を募集、平成18年度までに1315施設を登録した（内訳　病院772　診療所543）。本内容はホームページで公開中。

結論

国内の治験推進のためにも本研究事業を継続的に行って必要がある。

公開日・更新日

• 公開日: -
• 更新日: -

行政効果報告

• 文献番号: 200617001C

成果

• 専門的・学術的観点からの成果: 医師主導治験の実施、地域治験ネットワーク活動等により、我が国の治験を推進させるための取り組みを行った。その成果として、臨床の現場で望まれていながら製薬企業が開発に消極的な領域での治験を実施するとともに、実施医療機関のネットワーク化等の質の高い治験を速やかに実施することが可能となる体制を整備した。
• 臨床的観点からの成果: 計画又は実施中の医師主導治験の多くが適応外使用の医薬品に関するものである。この中には医療上の必要性は高いが、患者数が少ないために研究開発が進んでいない希少疾病用医薬品も含まれており、効能追加を目的とした本治験を実施する臨床的意義は大きい。; また、複数の医療機関によるネットワークにおいて治験推進体制を充実・強化することを目的とした研究では、いわゆる中央治験審査委員会の設置、医療従事者・一般市民への啓発活動等により、臨床現場で治験を進めるための基盤を整備した。
• ガイドライン等の開発: なし
• その他行政的観点からの成果: 「全国治験活性化3カ年計画」の一環である「大規模治験ネットワーク」の構築のために医療機関を募集・登録した。また、「全国治験活性化3カ年計画」に続く次期治験活性化計画の策定にあたり、治験に関連する重要事項に対する調査班を設置し、調査班の事務局を担当した。
• その他のインパクト: DIA総合ワークショップでのブース展示、日本臨床薬理学会年会でのランチョンセミナー、ニュースレターの配信、医師主導治験の登録と結果の公表に関する業務等の治験に関する情報発信を実施しており、わが国の治験を今後更に活性化することを目的とした治験活性化シンポジウムでは医療関係者、製薬企業、治験支援企業（開発業務受託機関、治験施設支援機関等）及び一般市民を中心に約370名が参加した。

発表件数

• 原著論文（和文）: 0件
• 原著論文（英文等）: 0件
• その他論文(和文): 12件 ; 医師主導治験による適応拡大及び各医師会によるいわゆる中央IRBに関する論文が発表された。
• その他論文(英文等): 1件 ; 国内の医師主導治験の現状について、ASCO News に発表された。
• 学会発表(国内学会): 3件 ; 「小児薬物療法」「臨床試験のIT化とのその問題点」及び「電子コメント機能を活用した治験管理システム」の3つの演題が学会にて発表された。
• 学会発表(国際学会等): 0件
• その他成果(特許の出願): 0件 ; 「出願」「取得」計0件
• その他成果(特許の取得): 0件
• その他成果(施策への反映): 0件
• その他成果(普及・啓発活動): 2件 ; 2つの地域治験ネットワークにおいて、成果物を伴った治験啓発活動が実施された。

公開日・更新日

• 公開日: 2015-05-26
• 更新日: 2017-06-20