文献情報
文献番号
200615008A
報告書区分
総括
研究課題名
蛋白コンフォメーションのインビボ画像診断
課題番号
H17-トランス-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 先進医工学研究機構)
研究分担者(所属機関)
- 谷内一彦(東北大学)
- 荒井啓行(東北大学)
- 堂浦克美(東北大学)
- 岡村信行(東北大学)
- 古本祥三(東北大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
46,939,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アルツハイマー病(以下AD)においては特有の臨床症状が顕性化する10年以上前から、この疾患の病因と考えられている病理像、すなわちコンフォメーション変化(β シート構造化)アミロイドβ蛋白の脳内蓄積が始まることが知られている。もし、この蛋白の脳内蓄積を生きたままの生体で画像化し、それをもとに画像診断することが可能となれば、ADの早期は無論のこと発症前診断が可能となることは容易に推測される。
本年度の目的は、1)主任研究者らによって開発されたβ シート構造化アミロイドβ蛋白を認識するPET(陽電子断層撮影装置)プローブ[11C]BF-227を用いたヒト探索的臨床試験の継続、2)臨床現場においてより有用性の高い[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化、を実施することにある。
本年度の目的は、1)主任研究者らによって開発されたβ シート構造化アミロイドβ蛋白を認識するPET(陽電子断層撮影装置)プローブ[11C]BF-227を用いたヒト探索的臨床試験の継続、2)臨床現場においてより有用性の高い[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化、を実施することにある。
研究方法
1) [11C]BF-227を用いたヒト探索的臨床試験
計34例の探索的臨床試験の画像処理を終了した(内、プリオン病患者は2例)。
2)[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化
これまでに約850化合物をスクリーニングし、得られたなデータを基に10数個の[18F]標識化合物を新たに合成して、詳細な薬理作用を検討した。
計34例の探索的臨床試験の画像処理を終了した(内、プリオン病患者は2例)。
2)[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化
これまでに約850化合物をスクリーニングし、得られたなデータを基に10数個の[18F]標識化合物を新たに合成して、詳細な薬理作用を検討した。
結果と考察
1) [11C]BF-227を用いたヒト探索的臨床試験
[11C]BF-227はAD診断用プローブとして高い有用性を有することが確認された。またプリオン病患者における空間分布は異常型プリオン蛋白のそれに一致していることが示唆された。
2)[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化
臨床試験に進捗させるに充分な特性を有すると判断される1つの[18F]標識PETプローブを見いだすことができた。同プローブについては平成19年度中に探索的臨床試験を開始する予定。
ADの根本治療薬がいよいよ現実のものになりつつある現在、我々の成果と根本治療薬とを組み合わせることにより、診断時点で発症前でさえあればその後ADに陥らずに一生をおくれる時代を招来させることができる。
[11C]BF-227はAD診断用プローブとして高い有用性を有することが確認された。またプリオン病患者における空間分布は異常型プリオン蛋白のそれに一致していることが示唆された。
2)[18F]標識PETプローブ開発のためのF化化合物の最適化
臨床試験に進捗させるに充分な特性を有すると判断される1つの[18F]標識PETプローブを見いだすことができた。同プローブについては平成19年度中に探索的臨床試験を開始する予定。
ADの根本治療薬がいよいよ現実のものになりつつある現在、我々の成果と根本治療薬とを組み合わせることにより、診断時点で発症前でさえあればその後ADに陥らずに一生をおくれる時代を招来させることができる。
結論
ヒト探索的臨床試験の結果、[11C]BF-227はAD診断においては高い有用性を有することが、またプリオン病における空間分布は異常型プリオン蛋白のそれに一致していることが示唆された。
臨床試験に進捗させるに充分な特性を有すると判断される1つの[18F]標識PETプローブを見いだすことができた。
臨床試験に進捗させるに充分な特性を有すると判断される1つの[18F]標識PETプローブを見いだすことができた。
公開日・更新日
公開日
2007-10-03
更新日
-