文献情報
文献番号
200615005A
報告書区分
総括
研究課題名
アドレノメデュリンを用いた循環器疾患の画期的治療法の開発
課題番号
H16-トランス-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
宮武 邦夫(独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 永谷 憲歳(国立循環器病センター)
- 寒川 賢治(国立循環器病センター)
- 中尾 一和(京都大学大学院医学研究科)
- 北村 和雄(宮崎大学医学部)
- 川村 淳(国立循環器病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究目的
アドレノメデユリン(AM)による心筋および脳の保護効果を病態モデルや遺伝子改変動物を用いて明らかにし、また急性心筋梗塞、心不全、脳梗塞、肺高血圧に対してAMを治療薬として臨床応用し、AM投与による新たな循環器治療法の開発を行なうことである。
アドレノメデユリン(AM)による心筋および脳の保護効果を病態モデルや遺伝子改変動物を用いて明らかにし、また急性心筋梗塞、心不全、脳梗塞、肺高血圧に対してAMを治療薬として臨床応用し、AM投与による新たな循環器治療法の開発を行なうことである。
研究方法
研究方法
AMによる虚血心筋保護作用とメカニズムを動物実験で検討し、その後、初回急性心筋梗塞症患者を対象にAMを虚血再灌流時に投与し、AMによる虚血心筋保護効果と投与の安全性を検討した。心不全治療効果の検討に関してはラット心筋梗塞、高血圧性心肥大、急性心筋炎の各モデルを作製し、AM投与の効果を検討した。脳虚血治療効果を検証する動物モデルとしてAM単独過剰発現トランスジェニックマウスを開発し、脳虚血に対するAMの効果を検討した。その後、軽症の脳梗塞既往者を対象に、AMの27時間持続投与を行い、脳血流、代謝を含む血行動態、各種液性因子の変化を検討した。(倫理面への配慮)動物操作にあたっては、各施設の動物実験指針に従って行う。臨床応用は倫理委員会承認のもとで行う。
AMによる虚血心筋保護作用とメカニズムを動物実験で検討し、その後、初回急性心筋梗塞症患者を対象にAMを虚血再灌流時に投与し、AMによる虚血心筋保護効果と投与の安全性を検討した。心不全治療効果の検討に関してはラット心筋梗塞、高血圧性心肥大、急性心筋炎の各モデルを作製し、AM投与の効果を検討した。脳虚血治療効果を検証する動物モデルとしてAM単独過剰発現トランスジェニックマウスを開発し、脳虚血に対するAMの効果を検討した。その後、軽症の脳梗塞既往者を対象に、AMの27時間持続投与を行い、脳血流、代謝を含む血行動態、各種液性因子の変化を検討した。(倫理面への配慮)動物操作にあたっては、各施設の動物実験指針に従って行う。臨床応用は倫理委員会承認のもとで行う。
結果と考察
結果:AMの虚血心筋保護作用とメカニズムを動物実験で明らかにし、急性心筋梗塞患者12人に対する臨床研究を行い、安全性と有効性を確認した。また、AMの脳梗塞治療に関する探索的臨床研究を行い、安全性を証明した。原発性肺高血圧症患者に対するAMの吸入投与により、強力な肺血管拡張作用を確認した。また、AMの急性心筋炎に対する治療効果について、基礎的検討を行い成果をあげた。
考察:当初、計画していた動物実験はすべてが完了し、AMの心血管脳保護作用とそのメカニズムが明らかとなった。臨床試験は急性心筋梗塞症に対してパイロット臨床試験を完了するにとどまったが、低容量と高容量の比較試験を行い、低容量の投与がより安全であることが示された。医療技術が進歩した現在においても虚血性心疾患、脳虚血疾患は常に死因の上位を占め、また高額な医療費の原因にもなっている。AMはこれらの疾患の治療に有効である可能性が示された。本ペプチドは日本で発見されたこともあり、虚血性心疾患、脳虚血疾患に対する創薬が行える可能性がある。
考察:当初、計画していた動物実験はすべてが完了し、AMの心血管脳保護作用とそのメカニズムが明らかとなった。臨床試験は急性心筋梗塞症に対してパイロット臨床試験を完了するにとどまったが、低容量と高容量の比較試験を行い、低容量の投与がより安全であることが示された。医療技術が進歩した現在においても虚血性心疾患、脳虚血疾患は常に死因の上位を占め、また高額な医療費の原因にもなっている。AMはこれらの疾患の治療に有効である可能性が示された。本ペプチドは日本で発見されたこともあり、虚血性心疾患、脳虚血疾患に対する創薬が行える可能性がある。
結論
結論
AMは虚血性心疾患を含む難治性循環器疾患に対する我が国独自の画期的治療薬となる可能性が示唆された。
AMは虚血性心疾患を含む難治性循環器疾患に対する我が国独自の画期的治療薬となる可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2007-04-10
更新日
-