迅速・簡便・超高感度な新規SNPs検出法による薬剤応答性遺伝子診断システムの開発

文献情報

文献番号
200610033A
報告書区分
総括
研究課題名
迅速・簡便・超高感度な新規SNPs検出法による薬剤応答性遺伝子診断システムの開発
課題番号
H17-ファーマコ-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 一彦(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 兼久(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム )
  • 藤本 健太郎(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム )
  • 猪子 英俊(東海大学医学部)
  • 森川 實(ジェノダイブファーマ株式会社)
  • 木下 健司(武庫川女子大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ファーマコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
31,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
MPEX法を医療現場でのSNPs診断に適用できるレベルまでMPEX法による遺伝子検出法の高速化と高感度化を図ること、オーダーメード医療への適用範囲を広げるべくマイクロサテライトの検出方法を確立すること、ヒト生体サンプルによる検証により疾患感受性や医薬品の副作用に関連した遺伝子の多型の検出におけるデータ収集を行うことを本年度の研究目的とした。
研究方法
PCR用チューブ内に収まるミニチップにMPEX用プライマーを固定する方法およびPCR用チューブ内壁に直接MPEX用プライマーを固定する方法により基板上でのMPEX反応と液中でのPCR反応を同時に行うことを検討した。マイクロサテライトの検出について、検出対象に合成オリゴを用いるモデル系で4塩基および2塩基繰り返しのマイクロサテライトの検出について検討を行った。
ヒト生体サンプルでの検証では、関節リウマチ感受性遺伝子から5種類のSNPsおよびHLA‐DRB1遺伝子を薬剤応答に関連したSNPsとして、医薬品の副作用と関連性が報告されている3種類のHLAアリルを選択し、MPEX法による各多型について検出について検討を行った。
結果と考察
PCRによる検体遺伝子の特異部位の増幅および 基板上でのMPEXを同時に行う方法を実現し、PCR用チューブ内壁に直接MPEXプライマーを固定化することで温度制御が、本方法で遺伝子検出再現性の確保に有効であることを確認した。さらに、MPEX法による4塩基法および2塩基繰り返しのマイクロサテライトの検出を確認した。また、ヒト検体について選択した遺伝子多型についての検証実験から、MPEX法により基板上で複数SNPsの同一基板上で検出する系を確立できた。以上結果より、MPEX法による遺伝子多型検出の基礎技術は確立できたと考える。さらに、医療の現場に適応させるには、操作性を高めるべくシステムのデザインの検討が必要である。
結論
MPEX方による遺伝子多型の検出ついて、迅速、簡便、高感度化を実現できる基礎技術を確立し、同時にヒト生体サンプルでの検証データの蓄積により、オーダーメード医療に適応しうるSNPs診断システムの基盤を確立することが出来た。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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