遺伝子多型検索による高血圧個別化診療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200610031A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子多型検索による高血圧個別化診療の確立に関する研究
課題番号
H17-ファーマコ-一般-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
河野 雄平(国立循環器病センター高血圧腎臓内科)
研究分担者(所属機関)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター病院長)
  • 神出 計(国立循環器病センター高血圧腎臓内科)
  • 佐瀬 一洋(順天堂大学臨床薬理)
  • 宮田 敏行(国立循環器病センター研究所)
  • 花田 裕典(国立循環器病センター研究所)
  • 嘉田 晃子(国立循環器病センター研究所)
  • 荻原 俊男(大阪大学 老年・腎臓内科)
  • 相馬 正義(日本大学 総合内科)
  • 笹栗 俊之(九州大学 臨床薬理)
  • 土橋 卓也(国立病院機構九州医療センター内科高血圧・腎臓病)
  • 森本 茂人(金沢大学 老年医学)
  • 檜垣 實男(愛媛大学 病態情報内科)
  • 三木 哲郎(愛媛大学 加齢制御内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ファーマコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
43,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
降圧薬の効果ならびに副作用に関与する遺伝子の多型を同定し、これを迅速に調べるシステムを臨床の現場に導入することにより、遺伝子情報に基づく高血圧個別化診療を実現することが本研究の最終目標である。中間年度の平成18年度は使用頻度の高い降圧薬の降圧効果・副作用に関与する遺伝子多型を同定するために全国の高血圧専門施設と共同で「降圧薬感受性遺伝子同定のための前向き多施設臨床試験(GEANE研究)(UMIN-CRT:C000000119)」を主に進めた。
研究方法
軽症から中等症の本態性高血圧患者を対象とする。インフォームド・コンセント取得後1カ月は観察期とし、この間に血圧測定、遺伝子ならびに副作用評価のための血清カリウムや代謝項目を含む採血を施行する。その後、無作為交叉法により、サイアザイド系利尿薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬を用いての単剤治療を各3カ月行う。各薬剤は、はじめの1カ月間は少量を、次の2カ月間は通常用量を内服させる。各治療期の終了時に生化学検査採血を施行し、血圧評価は外来と家庭の両方を用いる。観察期を含め計10カ月で試験を終了する。遺伝子解析はDNAマイクロアレイ法による全染色体領域にわたる50万SNP、および3種降圧薬の薬理作用に関わりの深いと考えられる水・電解質調節関連遺伝子や薬物代謝・トランスポーター遺伝子などを含む数百の候補遺伝子多型である。候補遺伝子の多型の決定はTaqMan PCR法を用いる。解析は匿名化された遺伝情報ならびに臨床情報を合わせて、国立循環器病センターならびに各共同研究施設で分担して行う予定である。登録期限は平成18年度末で最終目標症例数は150例である。
結果と考察
計24施設で症例を登録し、平成18年度末までに目標を超える154症例の登録があった。解析もDNAマイクロアレイ法を用いた遺伝子解析が進み約8割の検体でタイピングが終了した。GEANE研究により降圧薬単剤の影響を多数の症例を対象に、しかも対象者個人で薬剤への反応性を比較することが可能となる。また非常に多くの遺伝子多型の解析を予定しており、3種類の降圧薬に対する複数の関連遺伝子多型の同定が期待される。
結論
主要な降圧薬の降圧効果や副作用に関与する遺伝子が同定されれば高血圧の個別化診療の実現に大きく寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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