文献情報
文献番号
200610030A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子多型検査によるテーラーメイド疼痛治療法の開発
課題番号
H17-ファーマコ-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
池田 和隆(財団法人東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所 分子精神医学研究チーム)
研究分担者(所属機関)
- 林田 眞和(東京大学医科学研究所)
- 曽良 一郎(東北大学大学院医学系研究科)
- 長島 誠(東邦大学医学部)
- 田上 惠(東邦大学医学部)
- 福田 謙一(東京歯科大学)
- 岩橋 和彦(麻布大学大学院)
- 下山 直人(国立がんセンター)
- 井手 聡一郎(広島国際大学薬学部)
- 古閑 比佐志(かずさDNA研究所)
- 南 雅文(北海道大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ファーマコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
23,040,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
疼痛は医療現場で極めて頻繁に見られる深刻な病態であり、広く国民のQOLを低下させる重大な要因である。疼痛治療を緊急に普及させる必要があるが、鎮痛薬に深刻な副作用があること、および鎮痛薬感受性に大きな個人差があることが、臨床上、効果的な疼痛治療を妨げている。本研究では、ゲノム科学の急速な進展を踏まえ、鎮痛薬感受性の遺伝子メカニズムを解明し、個々人に合った疼痛治療を迅速・効率的に行うための基盤技術の確立を目的とした。
研究方法
小研究項目を設定し、班員で分担して研究を進めた。
1)鎮痛関連遺伝子の多型の同定と、それらの特徴の解明(担当:池田、南、井手、岩橋)
2)鎮痛・痛覚個人差をより正確に評価できる条件の設定と、鎮痛・痛覚データの収集
2-1.術後鎮痛(担当:林田、田上、長島、福田)
2-2.癌鎮痛(担当:曽良、下山)
2-3.健常者鎮痛(担当:福田)
2-4.健常者痛覚(担当:池田、岩橋)
3)遺伝子多型と鎮痛・痛覚データとの相関解明(担当:池田、林田、曽良、岩橋、井手)
4)テーラーメイド疼痛治療を可能とする遺伝子検査キットの開発(担当:池田、古閑)
1)鎮痛関連遺伝子の多型の同定と、それらの特徴の解明(担当:池田、南、井手、岩橋)
2)鎮痛・痛覚個人差をより正確に評価できる条件の設定と、鎮痛・痛覚データの収集
2-1.術後鎮痛(担当:林田、田上、長島、福田)
2-2.癌鎮痛(担当:曽良、下山)
2-3.健常者鎮痛(担当:福田)
2-4.健常者痛覚(担当:池田、岩橋)
3)遺伝子多型と鎮痛・痛覚データとの相関解明(担当:池田、林田、曽良、岩橋、井手)
4)テーラーメイド疼痛治療を可能とする遺伝子検査キットの開発(担当:池田、古閑)
結果と考察
(1) ミューオピオイド受容体、GIRKチャネルなどの遺伝子の構造および多型を同定、確認し、多型間の関係を解析して代表として解析すべき多型(タグSNP)を同定した。その他の25以上の鎮痛関連遺伝子においても解析すべき遺伝子多型を選定した。(2) 下顎骨切り術におけるプロトコールを確立し、本研究を行う上で理想的な診療データが得られる体制を整えた。また、術後鎮痛に関して300例以上、健常者での痛覚データに関して600例以上の、ゲノムと表現型データのセットを収集した。(3) ミューオピオイド受容体およびGIRKチャネル遺伝子多型と術後鎮痛薬必要量との間に関連があることを見出し、特許出願した。(4) 一分子蛍光法とマルチプルプライマー伸長法による安価で迅速な判定法を確立し、検査キット開発が進んだ。
結論
解析すべき遺伝子多型の選定、鎮痛効果評価プログラムの確立、ゲノムと表現型データの収集、遺伝子多型と表現型との相関解析、検査システムの開発のいずれにおいても、当初の計画の通り、あるいは計画を前倒しして研究が進められた。テーラーメイド疼痛治療の実現に道が着実に拓かれつつある。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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