文献情報
文献番号
200609014A
報告書区分
総括
研究課題名
生体内超音波ナノ・イメージング法の開発
課題番号
H17-ナノ-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
西條 芳文(東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 穂積 直裕(愛知工業大学)
- 小林 和人(本多電子株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
15,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究プロジェクトの最終目的は、周波数1.2GHzの超音波を生体組織上で2次元スキャンし、組織表面からの超音波の反射強度の違いを画像化することで、解像度800ナノメートルの生体内超音波ナノ・イメージング方法を開発することである。
研究方法
平成18年度には、前年度に作製した小型走査装置と薄いプラスティック板を一体化し、プラスティック板と組織表面の境界から生じる超音波の反射を高感度で検出することで、本装置の最大の特長である、組織を切除しないでナノレベルで画像化する方法を具現化した。
結果と考察
平成17年度に試作したシステムを改造し、スキャンの高速化を行うとともに、振動子の周囲にプラスティックケースを配置して、その中に音響カプラとして純水を入れ、プラスティックケースの中で振動子を2次元走査できるように改造した。プラスティックケースを組織に接触させて、プラスティック板と表面の境界で発生する反射波を計測して画像化を行い、生体組織とプラスティックの音響インピーダンスの差を計算するアルゴリズムを取り込むことで、画像の定量化を行った。また、高速アナログ/デジタル変換ボードを用いることで、超音波パルスの発生、走査、受信、信号解析、画像化を同一のワークステーション上で可能にし、ラットの脳組織の層構造を薄切することなく可視化することに成功した。また、培養線維芽細胞の細胞分裂時の核の分裂についても観察が可能で、解像度800ナノメートルの超音波ナノ・イメージング方法が実現した。
結論
生体内超音波ナノ・イメージング装置が完成し、生体組織を薄切せずに観察することが可能であった。次年度はさらにこの装置のスキャンを高速化し、実験動物の臓器を観察することで、本プロジェクトの最終目的を達成することが可能と考えられる。
公開日・更新日
公開日
2007-03-27
更新日
-