再生医療の研究振興のシステム構築および実施普及に向けた社会受容の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200608077A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療の研究振興のシステム構築および実施普及に向けた社会受容の在り方に関する研究
課題番号
H18-再生-若手-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
川上 浩司(京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
再生医療を受ける患者の立場としては、国家としての行政対応、患者保護(臨床試験の段階においては被験者保護)、場合によっては細胞・組織の流通由来の明示、製造における安全性の担保が懸念事項となる。再生医療の研究振興のみならず将来の普及のためは、現在から厚生労働行政の一環として社会受容に関連する上記の事象を整理、解決していく必要がある。上記を踏まえ、我が国において再生医療の普及と受容に向けた研究を進めていく。
研究方法
米国における新規医療製品の承認と臨床試験に対する行政対応のシステム、さらに細胞製剤、組織製品に関する各種ガイドラインを検討した。
また、日本国内で再生医療に関係する研究者、企業、臨床試験や医療を行う医療施設・医師、審査当局(医薬品医療機器総合機構)からヒアリングを実施し、再生医療を推進するにあたっての科学的懸念事項、医療現場での懸念事項、倫理的・社会的懸念事項、および行政側としての諸問題についてまとめた。
結果と考察
FDAによる再生医療の審査・認可の仕組み、細胞製剤を用いた臨床試験の初回申請と審査の流れ、再生細胞治療の審査ガイドラインについて調査をおこなった。通常のIND申請を行っての臨床試験におけるCMC水準は、連邦政府の規制集(CFR; Code of Federal Regulations)、とくに21CFR 312.23(a)(7)(i)に従う必要がある。しかしながら、とくに再生医療用途や癌ワクチンなどにもちいられる細胞製剤に関してはdraft guidance(2003年8月)が発表され、規制側(FDA審査官)および開発者(大学や製薬企業)双方に対しての基本的な安全性評価の考え方について記されている。日本国内で再生医療に関係する研究者、企業、臨床試験や医療を行う医療施設・医師、審査当局(医薬品医療機器総合機構)からのヒアリングでは、開発上の主な問題点としては、規格・基準、品質管理に関連する意見が多く認められた。また、法規制関連ではバイオロジクス(生物製剤)のカテゴリーの設置の要望が多く、審査について確認申請のハードルが高いという問題点などが浮き彫りとなった。
結論
本邦における再生医療の発展と社会への受容の実現のためには、行政的なガイドラインなどのインフラ整備が急務であることがわかった。次年度以降、欧州の規制の状況、欧米の再生医療開発の状況をさらに調査する。

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