間葉系幹細胞を用いた移植治療における品質及び安全性判定基準の確立

文献情報

文献番号
200608075A
報告書区分
総括
研究課題名
間葉系幹細胞を用いた移植治療における品質及び安全性判定基準の確立
課題番号
H18-再生-若手-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
青山 朋樹(京都大学再生医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell, MSC)を用いた細胞医療を行う際の培養(行程あるいは課程)における品質評価及び安全性監視機構を構築することである。
研究方法
本研究は平成19年度京都大学医学部付属病院整形外科で開始予定の臨床試験「難治性骨壊死に対するMSC細胞移植治療」と連携して実施する。品質評価項目として①MSCの多分化能の確認と②増殖能の確認を行い、安全性監視項目として③感染の監視④癌化の監視を行う。本研究においてはこれらの4項目を定量手法を用いて評価し、基準値を作成しそれに沿ったプロトコールを作成する。このプロトコールを用いて臨床試験を実施することで、In Vitroで得られた解析結果を臨床現場にフィードバックするシステムを構築する。
結果と考察
 品質管理項目である分化能の確認はIn Vitroで骨、軟骨、脂肪形成能を定量評価する方法を確立し、ドナー由来のMSCで確認できた。現在は更にそれぞれの分化誘導時の基準値の作成を行っている。またテロメア長測定、p16遺伝子発現値)が増殖能の予測マーカーとして有効であることが確認できた。
 安全性監視項目である感染監視にはGMPグレードに準拠したプロトコールを作成し、実施が可能であることを検証した。癌化監視では早期悪性転化のマーカーとしてp16遺伝子転写調節領域のメチル化解析が有効であることが明らかになり、ドナー由来のMSCにおける検討でも有効な結果を得ることができた。

結論
平成18年度に作成した品質管理、安全監視のためのプロトコールは確立され、ドナー由来のMSCを用いた検討でも有効であることが実証された。このプロトコールを用いて平成19年度に開始予定の臨床試験「難治性骨壊死に対するMSC細胞移植治療」を開始し、プロトコールの問題点の検討、妥当性を検証していく予定である。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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