ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究

文献情報

文献番号
200607056A
報告書区分
総括
研究課題名
ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究
課題番号
H17-生命-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
福嶋 義光(国立大学法人信州大学 医学部社会予防医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井 晃洋(国立大学法人信州大学 医学部社会予防医学講座 )
  • 千代豪昭(国立大学法人お茶の水女子大学)
  • 玉井 真理子(国立大学法人信州大学 医学部保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はヒトゲノム・遺伝子解析研究の重要性および遺伝情報の特殊性とその意義について,国民および社会から理解を得るのに最も適切な教育・啓発活動を考案し,いくつかの集団においてその教育・啓発活動を実践・評価したのち,全国的な事業計画を提案することを目的としている.
研究方法
種々の調査により,わが国では十分な遺伝学教育がなされていないことが明らかになったので,一般市民を対象とした啓発活動の到達目標を「遺伝」の問題を自分自身にも関係し得る身近な問題としてとらえることとし,そのための教育ツール(信州大学遺伝子診療部のスタッフで構成される劇団GENETOPIAが演じた遺伝ドラマ「あなたのそばに」を収録したビデオの上映とその前後にパワーポイントを用いた解説を行うもの)を開発し,この教育ツールを用いて,いくつかの集団を対象に実践活動を行い,その活動前後の遺伝についてのイメージの変化についてのアンケート調査を行い,この教育ツールの有効性を確認する.一般市民向けおよび医療従事者向けの情報提供サイトとして,GENETOPIA http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp を管理運営し,種々の有用な情報を提供する. 遺伝子医療をめぐる問題についての情報の共有および各施設間の情報交換,意見交換を行うため,全国遺伝子医療部門連絡会議を開催する.
結果と考察
われわれが開発した教育ツールを用いた啓発活動により,多くの人々に「遺伝」の問題を自分自身にも関係し得る身近な問題としてとらえていただくことができるという予備的結果が得られた.遺伝情報提供サイトであるGENETOPIAは一般市民ならびに臨床遺伝の専門家に利用されており,遺伝子診療関連としては最もヒット数が多いサイトとなっている.わが国の大学病院の約70%(80の大学病院のうち57)に遺伝子医療部門が設立されていることを明らかにし,2006年11月18日(土)に開催した全国遺伝子医療部門連絡会議には70の大学等関連施設を中心に総勢約137名が集い,活発なディスカッションが行われた.
結論
現状評価に関する調査,遺伝教育パッケージの作成,ホームページの運営,遺伝教育の実践活動と評価,全国遺伝子医療部門連絡会議の開催など,2年目となる今年度もほぼ予定通りの成果をあげることができた.

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-