サイトカインによる増幅培養臍帯血による臍帯血移植の臨床試験

文献情報

文献番号
200608044A
報告書区分
総括
研究課題名
サイトカインによる増幅培養臍帯血による臍帯血移植の臨床試験
課題番号
H17-再生-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中畑 龍俊(財団法人先端医療振興財団 血液再生研究グループ)
研究分担者(所属機関)
  • 金倉 譲(大阪大学大学院医学系研究科C9 分子病態内科)
  • 前川 平(京都大学医学部付属病院輸血部)
  • 平家 俊男(京都大学医学部)
  • 伊藤 仁也(財団法人先端医療財団 血液再生研究グループ)
  • 田中 宏和(財団法人先端医療財団 血液再生研究グループ)
  • 永井 謙一(財団法人先端医療財団 先端医療センター診療開発部)
  • 村上 雅義(財団法人先端医療財団 臨床研究情報センター)
  • 清水 則夫(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
  • 島津 光伸(株式会社三菱化学ビーシーエル)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
43,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、造血幹/前駆細胞の絶対数不足から生じる臍帯血移植の問題点 (生着不全、造血回復遅延など)を解決するため、ex vivo増幅臍帯血を臍帯血移植へ臨床応用し、その有効性及び安全性を証明すること、さらにはex vivo増幅臍帯血移植を新たな治療法として確立することを目的としている。
研究方法
これまでの基礎研究や基盤整備を背景として、現在我々は、2006年4月1日より、ex vivo増幅臍帯血を用いた臨床研究を実施している。本臨床研究では日本造血細胞移植学会「造血幹細胞移植のガイドライン」の移植適応に合致し、骨髄移植および末梢血幹細胞移植において適切なドナーを得ることができない急性白血病の患者を対象としている。本臨床研究は凍結臍帯血を解凍後に分割し、2.0×107/kg相当の臍帯血を未処理のまま移植、もう一方はCD34陽性細胞に純化後、我々の開発した5種のサイトカインを組み合わせた無血清培養法で12日間増幅し移植するものであり、主要評価項目としてその安全性さらには増幅培養したCD34陽性細胞の輸注細胞数と生着率の相関を検討することを予定している。
結果と考察
2007年3月31日現在での登録数は0症例であるが、今後は適格基準における疾患に移植適応のある骨髄異形成症候群を加えること、年齢を55歳まで引き上げること、及び臍帯血の基準を2.7×107/kg以上まで引き下げることなど適応を拡大することにより、目標を達したいと考えている。
結論
再生医療の実践のためには、細胞の機能、品質及びその安全性を科学的に保証することに加え、GCP (good clinical practice)に準拠した臨床研究実施計画書(臨床プロトコル)の作成、高い水準の診療体制、及び倫理審査体制など総合的な基盤を確立することが必要である。今後は臨床研究を推進させると同時に、治療用細胞製剤をいかに安全に臨床応用すべきかについて具体的に示す先駆け的な研究として、我々が開発した細胞プロセッシング法、品質管理法を普及、発展させるための研究活動を継続する予定である。

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