皮膚細胞を細胞源とする新規骨・軟骨産生法の開発と臨床応用

文献情報

文献番号
200608018A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚細胞を細胞源とする新規骨・軟骨産生法の開発と臨床応用
課題番号
H16-再生-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院・整形外科)
研究分担者(所属機関)
  • 高戸 毅(東京大学医学部附属病院・口腔外科)
  • 大河内仁志(国立国際医療センター研究所・細胞組織再生医学研究部)
  • 片岡一則(東京大学大学院工学系研究科・マテリアル工学)
  • 岡野光夫(東京女子医科大学・先端生命医科学研究所)
  • 川口 浩(東京大学医学部附属病院・整形外科)
  • 鄭 雄一(東京大学大学院医学系研究科・骨軟骨再生)
  • 星 和人(東京大学大学院医学系研究科・富士ソフトABC軟骨骨再生)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
17,097,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、骨・軟骨分化に必要十分なシグナル伝達系を確定し、採取が容易で増殖能も高い皮膚線維芽細胞に骨・軟骨分化を誘導し移植することで、新しい骨・軟骨再生治療法を確立することを目的としている。遺伝子導入における安全性を高めるためナノミセルテクノロジーを用いた人工ウイルスの開発を行い、担体による異物反応や狂牛病などの交差感染を防ぐため細胞シート工学を応用した担体なしの移植片作製法も確立する。
研究方法
1.皮膚由来の再生用細胞取得のための多能性幹細胞の単離法と性状解析
2.骨・軟骨分化増殖シグナルの最適化と皮膚線維芽細胞の骨・軟骨形質転換
3.高分子ナノミセルを用いた遺伝子導入方法の開発
4.骨軟骨再生用担体・細胞シートの開発
5.骨軟骨欠損モデルの作製とin vivo骨・軟骨再生法の開発
結果と考察
1.ヒト皮膚とマウス皮膚から浮遊培養によりsphereを形成させることによって多能性幹細胞を単離・培養することができた。
2.骨分化の最適化シグナルはBMP+Runx2、軟骨分化の最適化シグナルはSox5/6/9であった。FGF-2と有効な軟骨増殖因子の組合せはインスリン+IGF-I、初代軟骨細胞の再分化に十分な組合せはBMP2・インスリン・トリヨードサイロニンであった。
3.細胞毒性の影響を受けやすい初代培養株細胞への安定した遺伝子導入を可能とするシステム基盤を確立した.
4.骨形質転換させた皮膚線維芽細胞においても細胞シートの作製に成功した。
5.小動物・大動物臨界骨・軟骨欠損モデルの長期の自然経過を明らかにし、実験を行う場合の至適条件を明らかにした。aTCPテーラーメード人工骨の安全性と有効性が確認された。
結論
皮膚の真皮や脂肪組織から多能性幹細胞の取得に成功した。骨軟骨分化・増殖制御因子の最適化をおこない、さらに皮膚線維芽細胞からの骨・軟骨形質転換を誘導した。さらに、骨形質転換皮膚線維芽細胞シートを作製することに成功した。
 新規合成,最適化したブロック共重合体を用いたナノミセル型遺伝子キャリアにより,皮膚線維芽細胞への低毒性かつ効率よい遺伝子導入が確認された.
小動物・大動物臨界骨・軟骨欠損モデルの長期自然経過を明らかにした。大動物臨界骨欠損モデルにおいて、aTCPテーラーメード人工骨の基礎データを収集した。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

文献情報

文献番号
200608018B
報告書区分
総合
研究課題名
皮膚細胞を細胞源とする新規骨・軟骨産生法の開発と臨床応用
課題番号
H16-再生-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院・整形外科)
研究分担者(所属機関)
  • 高戸 毅(東京大学医学部附属病院・口腔外科)
  • 大河内仁志(国立国際医療センター研究所 細胞組織再生医学研究部)
  • 片岡一則(東京大学大学院工学系研究科・マテリアル工学)
  • 岡野光夫(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)
  • 川口 浩(東京大学医学部附属病院・整形外科)
  • 鄭 雄一(東京大学大学院医学系研究科・骨軟骨再生医療)
  • 星 和人(東京大学大学院医学系研究科・富士ソフトABC軟骨骨再生医療)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、骨・軟骨分化に必要十分なシグナル伝達系を確定し、採取が容易で増殖能も高い皮膚線維芽細胞に骨・軟骨分化を誘導し移植することで、新しい骨・軟骨再生治療法を確立することを目的としている。遺伝子導入における安全性を高めるためナノミセルテクノロジーを用いた人工ウイルスの開発を行い、担体による異物反応や狂牛病などの交差感染を防ぐため細胞シート工学を応用した担体なしの移植片作製法も確立する。
研究方法
1.皮膚由来の再生用細胞取得のための多能性幹細胞の単離法と性状解析
2.骨・軟骨分化増殖シグナルの最適化と皮膚線維芽細胞の骨・軟骨形質転換
3.高分子ナノミセルを用いた遺伝子導入方法の開発
4.骨軟骨再生用担体・細胞シートの開発
5.骨軟骨欠損モデルの作製とin vivo骨・軟骨再生法の開発
結果と考察
1.ヒト皮膚とマウス皮膚から浮遊培養によりsphereを形成させることによって多能性幹細胞を単離・培養することができた。
2.骨分化の最適化シグナルはBMP+Runx2、軟骨分化の最適化シグナルはSox5/6/9であった。FGF-2と有効な軟骨増殖因子の組合せはインスリン+IGF-I、初代軟骨細胞の再分化に十分な組合せはBMP2・インスリン・トリヨードサイロニンであった。
3.細胞毒性の影響を受けやすい初代培養株細胞への安定した遺伝子導入を可能とするシステム基盤を確立した.
4.骨形質転換させた皮膚線維芽細胞においても細胞シートの作製に成功した。
5.小動物・大動物臨界骨・軟骨欠損モデルの長期の自然経過を明らかにし、実験を行う場合の至適条件を明らかにした。aTCPテーラーメード人工骨の安全性と有効性が確認された。
結論
1.皮膚の真皮や脂肪組織から多能性幹細胞の取得に成功した。
2.骨軟骨分化・増殖制御因子の最適化をおこない、さらに皮膚線維芽細胞からの骨・軟骨形質転換を誘導した。
3.新規合成,最適化したブロック共重合体を用いたナノミセル型遺伝子キャリアにより,皮膚線維芽細胞への低毒性かつ効率よい遺伝子導入が確認された.
4.骨形質転換皮膚線維芽細胞シートを作製することに成功した。
5.小動物・大動物臨界骨・軟骨欠損モデルの長期自然経過を明らかにした。大動物臨界骨欠損モデルにおいて、aTCPテーラーメード人工骨の基礎データを収集した。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200608018C