アレムツズマブを用いたHLA二座以上不一致血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植療法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200608016A
報告書区分
総括
研究課題名
アレムツズマブを用いたHLA二座以上不一致血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植療法の開発に関する研究
課題番号
H16-再生-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
神田 善伸(東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科)
研究分担者(所属機関)
  • 原田 実根(九州大学大学院病態修復内科学)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院健康科学・看護学専攻)
  • 中尾 眞二(金沢大学大学院細胞移植学)
  • 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会虎の門病院血液科)
  • 鈴木 憲史(日本赤十字社医療センター、血液内科)
  • 森 慎一郎(国立がんセンター中央病院検査部微生物検査室)
  • 千葉  滋(東京大学医学部附属病院・無菌治療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
18,725,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本試験の目的はアレムツズマブを用いて移植片拒絶と重症のGVHDを防ぐことによって、HLA二座以上不一致の血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植を安全に行うことが可能であることを示すことである。また、アレムツズマブは本邦未承認薬であるため、本臨床試験は改正GCP(基準に則って医師主導治験として行う。アレムツズマブを用いたHLA二座以上不一致血縁者間移植の安全性と有効性が証明された場合には、本試験で品質保証されたデータに基づいてアレムツズマムの移植前処置薬としての適応承認申請を行い、多くの国民に利益をもたらすことを目的とする。
研究方法
対象となる患者は、HLA一致または一座不一致の血縁・非血縁ドナーがいないがために、根治的な同種造血幹細胞移植を行うことができない20~65歳の患者である。移植前処置は通常の移植で行われる前処置に加えてアレムツズマブを患者体重あたり0.16~0.25 mg/kgを6日間併用する。主要評価項目は移植後60日以内の生着不全およびグレードIII以上の急性GVHDの発症率とし、副次的評価項目として、移植後1年後の生存率、無増悪死亡率、移植前処置関連毒性、感染症発症率を評価する。
結果と考察
平成17年に順調に3症例が登録され、観察期間、データ固定期間となり、登録を一旦中止した。最終的にこの3症例がいずれも治療の成功基準を満たしていることが確認されたため、効果安全性評価委員会の諮問の上、アレムツズマブの投与量を0.16 mg/kg/dayに減量し、第2コホートの患者登録を再開した。平成18年度中に第2コホートを完了する予定である。平成19年度よりCRMによってアレムツズマブの至適投与量を検討するとともに、当該用量において同種造血幹細胞移植が安全に実施することが可能であることを検討する。
結論
この医師主導治験の結果として、アレムツズマブを用いることによってHLA不一致同種造血幹細胞移植の安全性が高まることが示され、適応承認申請を行って多くの国民に利益をもたらすことができれば、適切なドナーがいないために移植を受けることが出来ない多くの患者についても、同種造血幹細胞移植療法を適応することが可能となる。本治験を通じて造血幹細胞移植領域の医師主導治験実施における問題点を抽出・収集してきたが、さらに、その解決策を検討していくことによって、今後の造血幹細胞移植領域における医師主導治験が円滑に遂行されるような基盤を形成し、造血幹細胞移植が健全に発展していくことに貢献する。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

文献情報

文献番号
200608016B
報告書区分
総合
研究課題名
アレムツズマブを用いたHLA二座以上不一致血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植療法の開発に関する研究
課題番号
H16-再生-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
神田 善伸(東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科)
研究分担者(所属機関)
  • 原田 実根(九州大学大学院病態修復内科学)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻)
  • 中尾 眞二(金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学)
  • 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会虎の門病院血液科)
  • 鈴木 憲史(日本赤十字社医療センター血液内科)
  • 森 慎一郎(国立がんセンター中央病院細菌免疫検査室)
  • 千葉 滋(東京大学医学部附属病院無菌治療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本試験の目的はアレムツズマブを用いて移植片拒絶と重症のGVHDを防ぐことによって、HLA二座以上不一致の血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植を安全に行うことが可能であることを示すことである。また、アレムツズマブは本邦未承認薬であるため、本臨床試験は改正GCP(基準に則って医師主導治験として行う。アレムツズマブを用いたHLA二座以上不一致血縁者間移植の安全性と有効性が証明された場合には、本試験で品質保証されたデータに基づいてアレムツズマムの移植前処置薬としての適応承認申請を行い、多くの国民に利益をもたらすことを目的とする。
研究方法
対象となる患者は、HLA一致または一座不一致の血縁・非血縁ドナーがいないがために、根治的な同種造血幹細胞移植を行うことができない20?65歳の患者である。移植前処置は通常の移植で行われる前処置に加えてアレムツズマブを患者体重あたり0.16-0.25 mg/kgを6日間併用する。主要評価項目は移植後60日以内の生着不全およびグレードIII以上の急性GVHDの発症率とし、副次的評価項目として、移植後1年後の生存率、無増悪死亡率、移植前処置関連毒性、感染症発症率を評価する。
結果と考察
平成17年に順調に3症例が登録され、観察期間、データ固定期間となり、登録を一旦中止した。最終的にこの3症例がいずれも治療の成功基準を満たしていることが確認されたため、効果安全性評価委員会の諮問の上、アレムツズマブの投与量を0.16 mg/kg/dayに減量し、第2コホートの患者登録を再開した。平成18年度中に第2コホートを完了する予定である。平成19年度よりCRMによってアレムツズマブの至適投与量を検討するとともに、当該用量において同種造血幹細胞移植が安全に実施することが可能であることを検討する。
結論
この医師主導治験の結果として、アレムツズマブを用いることによってHLA不一致同種造血幹細胞移植の安全性が高まることが示され、適応承認申請を行って多くの国民に利益をもたらすことができれば、適切なドナーがいないために移植を受けることが出来ない多くの患者についても、同種造血幹細胞移植療法を適応することが可能となる。本治験を通じて造血幹細胞移植領域の医師主導治験実施における問題点を抽出・収集してきたが、さらに、その解決策を検討していくことによって、今後の造血幹細胞移植領域における医師主導治験が円滑に遂行されるような基盤を形成し、造血幹細胞移植が健全に発展していくことに貢献する。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
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行政効果報告

文献番号
200608016C