移植医療に関する国際比較分析に関する研究

文献情報

文献番号
200608015A
報告書区分
総括
研究課題名
移植医療に関する国際比較分析に関する研究
課題番号
H16-再生-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
白倉 良太(大阪大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 貫井 英明(山梨大学)
  • 藤原 久義(岐阜大学大学院医学系研究科)
  • 福嶌 教偉(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 古川 博之(北海道大学大学院医学研究科)
  • 杉田 正夫(山梨大学医学部)
  • 田中 秀治(国士舘大学スポーツ医科学科)
  • 菊地 耕三(臓器移植ネットワーク)
  • 篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院角膜センター)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学医学部)
  • 高橋 恒夫(東京大学医科学研究所)
  • 高原 史郎(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部医学科)
  • 小林 英司(自治医科大学分子病態治療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,158,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臓器移植に関わる施策立案に必要な内外の情報収集とその分析を第1目的にした。研究期間中に集めた情報、資料だけでなく、「臨時脳死及び臓器移植調査会」設置前後からの移植に関する資料を収集し電子化して、WEB上に公開する方法論の開発を第2の目的とした。
研究方法
WHOの移植に関連する専門者会議が2003年秋以来10回開催された。本研究班は日本移植学会等関係学会や厚生労働省臓器移植対策室等と連携をとりながら、当初から会議に出席し、情報収集だけでなく、課題設定から、各種基準作り、ガイダンスづくりに参加してきた。2005年秋のマニラ会議以降、中国の死刑囚からの臓器提供が最重要課題となった。日本移植学会からの要請を受け当研究班が支援する形で、厚生労働省研究班(特研)が我が国の渡航移植の現状について調査研究を行った。肝、腎、心の現在通院中の患者数や渡航先などをアンケート調査した。
また、収集した資料は市販のデータベースゾフトを使って、図書カード形式で入力した。Web上には既存の検索エンジンを使ったシステムで公開するが、一般に公開できる資料と特定のユーザーに公開を限定するものがあるので、セキュリティーを確保した上で、公開の層別化を行うシステムを開発した。
結果と考察
中国では最近臓器移植数が激増しているが、その多くが死刑囚からの提供とされてきた。今回の調査結果から、肝臓で50人以上、腎臓で100人以上が中国にて死刑囚からの移植を受けていることが判明。この結果を国際移植学会倫理委員会に報告した。国際学会としては死刑囚からの提供に中止を命ずることはできないが、過度な商業主義と“transplant tourism”に帰結していることに強い懸念を示した。昨年秋WHOと国際移植学会が中国の厚生省副大臣と直接折衝した結果、中国における死刑囚からの移植は2006年末で禁止された。
結論
WHOと国際移植学会の指導で、中国で行われていた死刑囚からの臓器提供、臓器移植が禁止され、WEB上で見る限り(闇にかくれたら知りようがない)活動は停止している。当研究班の調査結果をWHOと国際移植学会の倫理委員会に報告したことが契機となってこの指導が行われた。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

文献情報

文献番号
200608015B
報告書区分
総合
研究課題名
移植医療に関する国際比較分析に関する研究
課題番号
H16-再生-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
白倉 良太(大阪大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 貫井 英明(山梨大学)
  • 藤原 久義(岐阜大学大学院医学系研究科)
  • 福嶌 教偉(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 古川 博之(北海道大学大学院医学研究科)
  • 杉田 正夫(山梨大学医学部附属病院)
  • 田中 秀治(国士舘大学スポーツ医科学科)
  • 菊地 耕三((財)臓器移植ネットワーク)
  • 篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院角膜センター)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学医学部)
  • 高橋 恒夫(東京大学医科学研究所細胞プロセッシング)
  • 高原 史郎(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部医学科)
  • 小林 英司(自治医科大学分子病態治療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臓器移植に関わる施策立案に必要な内外の情報収集とその分析を第1目的にした。研究期間中に集めた情報、資料だけでなく、「臨時脳死及び臓器移植調査会」設置前後からの移植に関する資料を収集し電子化して、WEB上に公開する方法論の開発を第2の目的とした。
研究方法
目的1) WHOの移植に関連する専門者会議が2003年秋以来10回開催された。本研究班は日本移植学会等関係学会や厚生労働省臓器移植対策室等と連携をとりながら、当初から会議に出席し、情報収集だけでなく、課題設定から、各種基準作り、ガイダンスづくりに参加してきた。2005年秋のマニラ会議以降、中国の死刑囚からの臓器提供が最重要課題となった。日本移植学会からの要請を受け当研究班が支援する形で、厚生労働省研究班(特研)が我が国の渡航移植の現状について調査研究を行った。肝、腎、心の現在通院中の患者数や渡航先などをアンケート調査した。
目的2) 収集した資料は市販のデータベースゾフトを使って、図書カード形式で入力した。Web上には既存の検索エンジンを使ったシステムで公開するが、一般に公開できる資料と特定のユーザーに公開を限定するものがあるので、セキュリティーを確保した上で、公開の層別化を行うシステムを開発した。
結果と考察
中国では最近臓器移植数が激増しているが、その多くが死刑囚からの提供とされてきた。今回の調査結果から、肝臓で50人以上、腎臓で100人以上が中国にて死刑囚からの移植を受けていることが判明。この結果を国際移植学会倫理委員会に報告した。国際学会としては死刑囚からの提供に中止を命ずることはできないが、過度な商業主義と“transplant tourism”に帰結していることに強い懸念を示した。昨年秋WHOと国際移植学会が中国の厚生省副大臣と直接折衝した結果、中国における死刑囚からの移植は2006年末で禁止された。
結論
問題解決には正確な情報の共有、各国の基準やガイドラインのハーモナイゼーションが重要で、WHOの192加盟国全体の参加協力のもと、宗教や文化との調整など倫理性のハーモナイゼーションを行って、実効的なWHO Guiding Principles on Human Organ Transplantationを示す必要がある。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-10-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200608015C