臨床研究登録情報の検索ポータルサイトの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200606008A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究登録情報の検索ポータルサイトの開発に関する研究
課題番号
H18-特別-指定-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
丹後 俊郎(国立保健医療科学院 技術評価部)
研究分担者(所属機関)
  • 西川正子(国立保健医療科学院 技術評価部)
  • 山岡和枝(国立保健医療科学院 技術評価部)
  • 横山徹爾(国立保健医療科学院 技術評価部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
15,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国で実施される臨床研究が研究開始前に登録され、その成績が結果の如何に関わらず必ず公表され、治療効果が正確にかつ精度よく推定され、適切な医療技術の評価、治療法選択のな意思決定につながる一連のプロセスの中において、登録された情報を容易に検索できるとともに一般市民向けに臨床試験の普及啓発も目的とした検索ポータルサイトの試作版を検討するとともに登録データの品質保証に関する研究を行なう。
研究方法
1)臨床研究(試験)登録情報を検索広報するポータルサイトの開発:日本の3つの登録センター(大学病院医療情報ネットワーク研究センター(以下、UMIN)、日本医師会、(財)日本医薬情報センター(以下、JAPIC))に登録されている臨床研究(試験)情報を提供する検索ポータルサイトの試作システムの開発を行う。また、臨床試験に関する普及啓発を目的とした臨床試験広報プログラムの開発も行う。2)登録データの品質保証に関する研究:国内の登録センターがWHO primary / associate registerの要件を満たすように、登録センター毎に一定数の登録された研究を無作為抽出により選びその登録情報の正確性をチェックする品質保証に関する調査研究を行う。

結果と考察
1)検索画面や表示が臨床試験の専門家でない一般市民にもわかりやすいように工夫されたポータルサイトの試作版の開発を行った。本試作版のデモンストレーションを2006年12月1日に開催されたWHOの国際臨床試験登録綱領に関する第1回登録センター・ワーキング・グループ会議で行ったところ、WHOでのポータルの立ち上げに参考となるシステムと評価された。2)基本要件20項目の調査における主な結果としては、Public titleがWHOとUMINではその意味が大きく異なっていた。UMINでは簡略名のほかはPublic titleに対応する項目はなく、登録内容では簡略名に略号、疾患名が含まれていない等、一般人には理解しづらいと思われるものが多かった。
結論
ポータルサイトの開発研究では、今後開発する予定である最終システムに補強すべき機能が明らかにされた。品質保証に関する研究では、国内の登録センターの登録内容とWHO20項目との比較検討により、WHO primary registerとして指定を受けるために検討を要する情報が明らかにされた。また、今後、一般に公開する上で改善を要する点も明らかにされた。

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
これまでは、臨床研究のポジティブな結果だけが学術雑誌に公表され、市場に出回っている医薬品の効能・効果が実は公表バイアスに基づく見かけのものであり、期待される効能・効果を有していない可能性があった。ポータルサイトの開発により、研究開始前に登録された臨床研究の成績が結果の如何に関わらず必ず公表され、治療効果が正確にかつ精度よく推定され、適切な医療技術の評価、治療法選択の適切な意思決定につながることが期待される。
臨床的観点からの成果
臨床研究の登録制度が構築され複数の登録先が存在する現在、登録情報に関して何らかの質的な保証が行われかつ単一の検索の窓口が存在することにより、臨床研究が多くの人から研究が注視されることになり、その結果として臨床研究の質が向上すること考えられる。これと同時に臨床研究の内容やその進行状況などに関する情報を容易に得ることができるようになると臨床研究そのものに対する社会の理解が高まることが期待される。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
臨床研究に関する情報が公開されることによって一般国民が広く情報を得ることができるようになり、臨床研究に対する理解が進む。さらに、日本における登録された臨床研究情報全体の検索が容易にできるシステムは、我が国全体の臨床研究に係る情報の発信基地となることが期待される。
その他のインパクト
本試作版のデモンストレーションを2006年12月1日に神戸で開催されたWHOの国際臨床試験登録綱領(WHO International Clinical Trial Registry Platform)に関する第1回登録センター・ワーキング・グループ会議で行ったところ、WHOでのポータルの立ち上げに参考となるシステムと評価された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
1件
1st Register Working Group Meeting, WHO-ICTRP, Kobe, Japan,1 Dec, 2006.
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-