大災害時高抗堪性ME機器システムの基礎研究

文献情報

文献番号
200605005A
報告書区分
総括
研究課題名
大災害時高抗堪性ME機器システムの基礎研究
課題番号
H18-国際-一般-101
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
福本 一朗(長岡技術科学大学 工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 内山 尚志(長岡技術科学大学 工学部)
  • 寺島 正二郎(新潟工科大学 工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,710,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
災害時総合医療安全システム構築を目的とし、以下の7つの研究を行った。1.災害時緊急医療情報通信システムの研究、2.災害時非常電源装置の研究、3.避難所巡回診療支援電子カルテ装置の研究、4.双対対向Crawler型被災者救助ロボットの研究、5.アニマルセンサーの研究、6.既存自動血圧計の高抗堪性に関する研究、7.桐材を用いた耐災医療用品保管箱の研究
研究方法
研究1ではインターネット回線・衛星電話・携帯電話・PHS等の基地局を介さない通信、無線機経由するアドホック通信システムを開発する。研究2では風力羽根とSolar Cellを一体とした小型ハイブリッド発電装置を開発し、実用性確証する。研究3では誰でも容易に入力可能で、患者情報、バイタルサイン、患者画像所見を自動入力可能な電子カルテを創る。研究4では双対対向形式に無限軌道を重ね、上下のクローラをモーター駆動ウォームギャで駆動し、被災者収容コンテナーを備える救助装置を開発する。研究5では犬の嗅覚反応に基づく脳波の変化から被災者を発見するアニマルセンサーを開発する。研究6では被災地血圧計使用を想定し、240回の連続使用による電池消耗評価、水銀血圧計との計測時間、精度比較を行う。研究7では内外装に桐材、中央に鋼板の3層構造で、外装に難燃剤を塗布した保管箱を開発し、落下試験、耐火耐熱試験を行う。
結果と考察
研究1はアドホックネットワーク利用通信システムの開発中である。また停電時稼働も可能とするため、研究2の発電機と一体化する予定である。研究2は風力ブレードと薄膜太陽電池を一体化した試作品を試作中である。研究3では試作機による血圧・脈拍・体温の計測時間は、従来法の0.5±0.1倍と半分になり、その短縮効果は非熟練者ほど大きかった。研究4では調査研究の結果救助の際Clash syndrome対策が必要となり、カフの追加装着等の検討課題が示された。研究5では臭いにより脳波総量が増加し、脳波が高周波化することが示され、脳波解析による被災者発見の可能性が示唆された。研究6ではアルカリ乾電池の方が長寿命で、手首式計測が最も短時間であった。市販自動血圧計も精度は十分であった。研究7では、800mm未満の落下では損傷はなかった。耐熱試験では、加熱後30分でも保管箱内は120℃程度で、その後も温度上昇は緩やかだった。
結論
本研究はまだ萌芽的段階にあるため、今後も研究継続し大災害時に役立つに高抗堪性ME機器システムの開発に繋げてゆかねばならない。

公開日・更新日

公開日
2007-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
200605005C