国際NBC防御ネットワークの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200605004A
報告書区分
総括
研究課題名
国際NBC防御ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H17-国際-一般-101
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 進(日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 菊地 眞(防衛医学研究センター)
  • 白濱 龍興(自衛隊中央病院)
  • 桑原 紀之(自衛隊中央病院健康管理センター)
  • 亀田 俊忠(亀田総合病院)
  • 加來 浩器(東北大学医学部感染症疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
諸外国におけるNBC諸施策の実態調査、具体的にはバイオテロが行われた際の国際ネットワークのあり方を検討し、わが国への同様施策を反映させるために、諸外国と共通の認識に立ち、NBC防御対策およびそのネットワーク構築に関連する事項について、情報交換を行うために海外調査研究を行う。
研究方法
調査は、調査協力関係国に聞き取り、訪問調査、文献調査を実施。2年度においては、具体的には感染症アウトブレイク封じ込めのために国際機関が機能したスマトラ島沖地震・津波災害時の対応をシミュレート、またシンガポール、インドネシアおよび韓国の実情の調査を実施。
結果と考察
国際NBC防御に関する研究の実情を把握分析した。
 外交上の問題点
    公衆衛生的基盤のための各国の政府機関、軍隊等との協力への支援
 医学的・技術的論点
    外来感染症への対応が不可欠
 管理上の論点
    国際援助団体へのテロリズムの可能性への対応が不可欠
    人道的対応の迅速性から対応
 専門技術者養成
    国際保健規則の完全実施のための整備が望まれる。そのためには人材の交流が大切。
 法的・行政的論点
    国際保健規則の完全実施のための国際ネットワーク構築・整備が望まれる。
結論
各国における危機管理は、自らの組織が人的にも物理的にも崩壊していることから、現場での十分な活動は期待できない。国際機関等は専門家による指揮・統制はこの混乱を収束させるために必修である。平素からの連携・情報収集と迅速な連携が重要である。
大規模災害時発生時とバイオテロ発生時における国際協力は、いずれにおいても継続した国際協力が重要である。

公開日・更新日

公開日
2007-09-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200605004B
報告書区分
総合
研究課題名
国際NBC防御ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H17-国際-一般-101
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 進(日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 菊地 眞(防衛医学研究センター)
  • 白濱 龍興(自衛隊中央病院)
  • 桑原 紀之(自衛隊中央病院健康管理センター)
  • 亀田 俊忠(亀田総合病院)
  • 加來 浩器(東北大学医学部感染症疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国際健康危機管理ネットワーク強化研究は、科学技術に対する国民の理解の増進と関心の喚起に資することを目的として実施した。NBCテロは、世界同時に起こる可能性があること、原因の特定が難しいことなどから、国際的かつ恒常的な情報交換が重要である。しかしながら、現時点では各国ともどこに情報中枢があるのか、どのような情報が収集可能か、WHOが機能するのかどうか、関係する国際学会が存在するのかなどについては実態が把握されていない。
研究方法
調査は、初年度は調査協力関係国に聞き取り、訪問調査、文献調査を実施し、2年度においては、具体的には感染症アウトブレイク封じ込めの実情の調査を実施した。
結果と考察
平成17年度の調査研究結果では、想像以上に各国ともNBC兵器への施策が進んでおり、①検知同定②サーベイランス③診断・治療④アフターケア⑤バイオセイフテイ⑥研究開発⑦法整備⑧専門家育成等の多方面にわたる計画が実施されている。諸施策の実施状況を把握し連携を構築することは、我が国におけるNBC兵器への対処施策に役立つのみならず、国際的な枠組みでの意見交換にも有効である。平成18年度は、バイオテロ時の国際ネットワークのあり方を検討するために、感染症アウトブレイク封じ込めのために同様に国際機関が機能したスマトラ島沖地震・津波災害時の対応をシミュレートし、その効果と問題点等を考察した。
保健・医療分野に関しては、WHOジュネーブ本部が同機関のSEARO(東南アジア地域事務局)と共同して、①疾病サーベイランス部門②診療部門③ワクチン部門④メンタルヘルス部門⑤兵站部門⑥情報部毎にワーキンググループを設置している。
災害後に発生する感染症は、災害特有の感染症と、避難集団生活に伴う感染症である。しかし被災地の保健担当部局は、自らの組織が人的にも物理的にも崩壊していることから、十分な活動は期待できない。国際機関等の専門家による指揮・統制は、この混乱を収束させるために必須であり、平素からの連携が重要である。
結論
国際NBC防御における危機管理ネットワーク形成にあたり、諸外国の状況、国際的な安全保障の変化を調査分析、把握し、国際テロリストによるNBCを含めた外交・軍事上、医学的、技術的、管理上(バイオセキリュテイ)専門技術者育成、法的・行政的などの論点から各国の現状の比較研究が出来た。国際テロリスト対策には、情報通信の発達によるビジュアル化がテロリスト行動に心理的影響など、テロが発生しやすい歴史的な時代を迎えていることが指摘できる。

公開日・更新日

公開日
2007-10-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200605004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
国際NBC防御における危機管理ネットワーク形成にあたり、国際的・恒常的な情報交流を実施するための国際的ネットワーク構築に向けた諸外国の状況、国際的な安全保障の変化を調査分析、把握し、国際テロリストによるNBCを含めた外交・軍事上、医学的、技術的、管理上(バイオセキリュテイ)専門技術者育成、法的・行政的等の論点から各国の現状の比較研究が出来た。その結果、各国はNBCを含めた国際テロリスト対策に重点が移り、今後は、情報通信の発達によるビジュアル化などがテロリスト行動に影響を与える可能性が指摘できる。
臨床的観点からの成果
医学的・技術的論点から、感染症のサーベイランス体制検知同定体制、除染、予防的診断治療、救急医療体制の整備及びメンタルヘルスのアフターケアについての調査を通じて、わが国の対策に反映させる研究できた。特に、災害時に於ける論点は18年度の研究、インドネシア地震・津波大規模災害の例からバイオテロから時の感染症発生の類似性に学ぶことが多かった。また、メンタルヘルスのフォローアップの必要性が痛感した。
ガイドライン等の開発
国際社会はさまざまなテロリズムの脅威に直面し、もはや夢物語ではない。現実に起こる状況、さまざまな危機といつも隣り合わせにあり、企業等を襲う可能性の高い危機をテロ,天災、感染症、不況など7種類に分類し、くるくる回る円盤ルーレットのようにその針の止まったところに必ずや事故が起こると仮定し、このシステムをケースとして利用することが対策としての方策と考え、思いつくまま「危機の予想と対策」に関してのアイデアを出させることが平素時の組織への危機管理の感度の向上に繋がると考え、ガイドライン作成が大切である。
その他行政的観点からの成果
国際保健規則の完全実施のための国際ネットワーク構築・整備が重要である。国際空港・港湾における監視体制、出入国審査、検疫通関検査、輸出輸入管理体制の強化と法整備、保管管理施設に対する国内法の整備とに対してのシナリオが可能になった。バイオテロに使用される可能性の高い危険病原体として、天然痘ウイルス、炭疽菌、ペスト菌などがあり、これらの危険病原体は、わが国には存在しないか、まれだとされ、そのためか、危機感にも欠けている。
その他のインパクト
各国における危機管理は、自らの組織が人的にも物理的にも崩壊し、現場での十分な活動が期待できない。国際機関等は専門家による指導・統制はこの混乱を収束させるために必要である。平素からの連携・情報収集と迅速な連携が重要である。
公開シンポジウム: IEMS-Japan講演会
日時:3月3日(土) 開場:午後2時半
開会:午後3時?5時15分閉会/入場無料
場所:東京都千代田区麹町5-1 「弘済会館」椿の間

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
8件
日本蘇生学会大(17.11) 臨床微生物学会(18.1) 臨床微生物学会(18.1) 防衛医学セミナー(18.2) 日本環境感染学会(18.2) 日本感染症学会総会(18.4)他
学会発表(国際学会等)
3件
International Military Medicine Conference,Medical Physics & Biomedical Engineering 他
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-