統計情報利用者の視点から見た厚生労働統計調査の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200602005A
報告書区分
総括
研究課題名
統計情報利用者の視点から見た厚生労働統計調査の在り方に関する研究
課題番号
H18-統計-プロ-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
宇田 淳(広島国際大学 医療福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 安川 文朗(同志社大学 研究開発推進機構)
  • 山野邉 裕二(国立成育医療センター 医療情報室)
  • 中村 利仁(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 橋本 英樹(東京大学 医学系研究科)
  • 秋山 美紀(慶応義塾大学 総合政策科学部 )
  • 笹川 紀夫(広島国際大学 医療福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生統計は、行政施策の企画・立案・評価のための基礎的情報を提供されるものであるが、近年、政策効果の事前・事後評価を行うためにも、統計の重要性が増大している。従って、必要な統計を整備し、利用しやすい形で提供することが重要とされる。本研究では、統計利用者の利用者の立場から、厚生統計の今後のあり方について、検討するものである。
研究方法
計9回の会議を開き、統計情報利用者として、研究報告を持ち寄り、今後の統計研究について具体的に課題を論議した。そして、今後想定される研究計画のテーマを整理した。
結果と考察
検討した結果、次のような課題が明らかになった。
1)直接的な統計利用者、研究者や他の組織が加工抽出する間接的な基礎データを、例えば世の中の問題点をクローズアップし、それが政策に反映されるようにポリシーメイキングのプロセスすら変わり得る時代というかなり広いイメージが必要である。
2)IT化により多くのデータを収集できるが、自然と集まる情報については意外とあまり役に立たないのではないかという認識がなされ、やはり、合目的性が必要とされ、そのプロセスが重要であり、調査手法、精度の重要性が再確認された。
3)IT環境の充足は、統計の有効的な活用方策や高度処理を可能とするものの、情報管理の重要性が再確認された。
4)統計データの可視化など、より効果的な情報発信の必要性が指摘された。
5)国際比較などを視野に入れた、各種統計指標の定義が不十分であることが指摘された。
その結果、次のような課題研究の必要性が認められた。
1.各種統計項目の定義に関する研究
2.各種統計の精度に関する研究
3.IT化に伴う調査手法に関する研究
4.個票の取り扱いに関する研究
5.統計の可視化に関する研究
6.情報管理に関する研究
7.統計情報収集に関する研究
8.医療専門職の量的把握に関する研究
9. 新たなる指標に関する研究
10.医療専門職の質的統計に関する研究
11.診療科名標準化に関する研究
12.病院IT化に伴う調査手法に関する研究
結論
近い将来、医療分野における統計調査も電子化に対応し、迅速かつ量的情報量は確保される。しかしながら、その質を担保するという基本的な姿勢が問われ、精度向上が継続的課題といえた。同時に統計データの新たな分析手法の開発や、ステークホルダとしての施策上のニーズ等に対応した統計データの効果的な活用が望まれた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-25
更新日
-