医師のキャリアパスを踏まえた動態把握のあり方及びその有効活用に関する研究

文献情報

文献番号
200601037A
報告書区分
総括
研究課題名
医師のキャリアパスを踏まえた動態把握のあり方及びその有効活用に関する研究
課題番号
H18-政策-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 康永 秀生(東京大学医学部附属病院)
  • 井出 博生(東京大学医学部附属病院)
  • 中村 利仁(北海道大学大学院医学研究科)
  • 前沢 政次(北海道大学大学院医学研究科)
  • 丁 漢昇(東北大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
11,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
これまで医師の需給予測等は、医師調査等のデータを中心に解析がなされてきたが、昨今の医師のキャリアパスをめぐる状況の変容に対応し、より精緻なレベルでの解析を行うためには、新たなデータセットの構築が不可欠である。また、全ての医師を単一化した医療提供主体としてみなすのみでなく、その集合体である病院の機能を最適化させる必要も生じている。
研究方法
平成18年度調査では,医師届出表の個票データを、医籍登録番号、生年月日をキーにして、医師各人の経年的なデータを縦断化した。対象年度は昭和47年から平成16年である。医師の総合的な仕事満足度を計測し,医師の属性との関連を明らかにする研究を合わせて実施した。2006年11月にインターネット・アンケート調査を実施し,153名の医師から有効回答を得た。また,医師の集約化によって医師の過不足にどのような影響があるのかを明らかにするため、病院の医師数と医師の労働生産性の分析から、病院の類型化が可能であるか否かを検討した。全国996病院を対象にして郵送調査を行い,260の有効回答があった。加えて,医師、歯科医師、薬剤師数調査および人口統計を基に、ハーフィンダール指数(HHI)およびGini係数を用いて、1996年から2004年までの日本における医師分布の平準度および集中度を求めた。
結果と考察
医師届出表の個票データは処理前の総レコード数は4,080,589件であった。現在までの再処理の結果、昭和50年では97.49%のデータが、平成16年では99.99%のデータが利用可能となっている。インターネット・アンケート調査では,開業医および200床未満病院の勤務医と比較して,200床以上病院および大学病院の勤務医の方が,仕事満足度は有意に低かった。
病院を対象とした郵送調査では,病院医師規模が比較的大きい病院では、医師一人当たり看護職員数、看護スタッフ数と、医師一人当たり退院数、入院特掲診療料収入等との間に直線的関係のある病院群が存在した。医師の分布は、より平準化されていたが、集中度は増加していた。
結論
医師表データは,相当のレコードについて主たる診療科が欠損しており、このレコードの再処理が必要であるという問題が残った。レコードの再処理を今後進める。
医師満足度調査では,今後の課題として,医師の満足度の内容をさらに多重的な尺度を用いて解明することが重要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
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