医薬品・医療機器を対象とした社会経済評価ガイドライン策定のためのエキスパート・コンセンサス形成と提言に関する研究

文献情報

文献番号
200601016A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品・医療機器を対象とした社会経済評価ガイドライン策定のためのエキスパート・コンセンサス形成と提言に関する研究
課題番号
H17-政策-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
鎌江 伊三夫(神戸大学都市安全研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 白神 誠(日本大学薬学部)
  • 福田 敬(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部)
  • 坂巻 弘之(名城大学薬学部)
  • 柳沢 振一郎(神戸大学都市安全研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、近年、国際的に制定の動向が加速されているPEガイドラインの我が国での策定へ向け、参画専門研究者間の共通認識コンセンサスを確立し、エキスパート集団としての具体案を示すと共に、その法制化への国際的潮流に即応した緊急提言を行うことである。
研究方法
平成18年度は経済評価ガイドライン制定への提言に向け、DPC試行下の薬剤選択の調査にむけたファックスアンケートの分析、我が国のコストテーブル作成、ガイドライン実現のための医療費増分の許容範囲の測定法、経済評価分析結果の医療費償還への理論化、および、それに基づく妥当な具体的方策の立案に向けた研究を行った。
結果と考察
本研究では以下の結果を得た。
・PEガイドライン制定への技術的問題点を明らかにした。
・薬剤経済評価データの使用実態および必要性について分析し、現状とニーズの乖離を明らかにし た。
・ドイツならびに韓国の最新PEガイドライン事情を調査し、それらの翻訳を行った。
・米国FDAのPROガイダンス日本語版を作成し、その我が国に及ぼす影響や意義について検討した。
・コストテーブルの国際的現状と問題点、今後の我が国でのあり方について検討した。
・経済評価データの薬価算定への適用可能性、薬剤経済学上の理論的フレーム、および新たなルー ル化を提示した。
・ガイドライン活用する際の環境整備のための検討を加えた。
・国内関連学会や医療経済研究機構に産官学の開かれた議論の場を形成し、PEガイドラインに関す るコンセンサス形成を計った。
これらの研究結果を総合し、最終的にPEガイドライン案として提示した。案において示唆した新しい方法やルールについては、十分な科学的正当性を有すると考えられる。しかし、その現実的妥当性についての産官学のコンセンサス形成は今後の課題である。特に、PEガイドライン案の学術的、理論的背景を理解する人材養成が今後ますます重要である。
結論
本研究では、我が国の代表的研究者による集学的アプローチとコンセンサス形成に基づき、医薬品および医療機器を対象とした社会経済的分析評価ガイドライン案を示した。同時に、保険償還や薬価算定への対応可能性について検討を加え、その方法についての緊急提言を行った。これらのことは、我が国の現行の薬価制度と国際標準での薬剤経済学的知見との整合をはかる点で重大な意義があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200601016B
報告書区分
総合
研究課題名
医薬品・医療機器を対象とした社会経済評価ガイドライン策定のためのエキスパート・コンセンサス形成と提言に関する研究
課題番号
H17-政策-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
鎌江 伊三夫(神戸大学都市安全研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 白神 誠(日本大学薬学部)
  • 福田 敬(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 池田 俊也(国際福祉大学薬学部)
  • 坂巻 弘之(名城大学薬学部)
  • 柳沢 振一郎(神戸大学都市安全研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、近年、国際的に制定の動向が加速されているPEガイドラインの我が国での策定へ向け、参画専門研究者間の共通認識コンセンサスを確立し、エキスパート集団としての具体案を示すと共に、その法制化への国際的潮流に即応した緊急提言を行うことである。
研究方法
医薬品および医療機器の社会経済的評価分析のためのガイドライン案作成に関し、我が国で求められる要件について、初年度は、先ず参画する研究者全員による討議を通じ、PEガイドライン化に関する先行研究の実績と問題点を検討した。次年度は経済評価ガイドライン制定への提言に向け、DPC試行下の薬剤選択の調査にむけたファックスアンケートの分析、我が国のコストテーブル作成、ガイドライン実現のための医療費増分の許容範囲の測定法、経済評価分析結果の医療費償還への理論化、および、それに基づく妥当な具体的方策の立案に向けた研究を行った。
結果と考察
本研究では、将来的な保険償還への対応可能性を視野にいれ、欧米およびアジア各国のガイドラインの最新動向をさらに吟味するとともに、我が国の保険システムにいかに組み込むかの方法論とその実現性についてエキスパートのコンセンサス形成をはかった。また、PEガイドラインのコンセンサス形成には企業側の意見も重要となるため、ISPOR日本部会設立に研究班メンバーによる積極的関与を行った。結果、薬価算定の参考資料作成のためのガイドライン化が、我が国において価値を反映する医療を実現するための重要なステップとなることを確認し、その32項目に沿った案を提示した。案において示唆した新しい方法やルールについては、十分な科学的正当性を有すると考えられる。しかし、その現実的妥当性についての産官学のコンセンサス形成は今後の課題である。
結論
2年間の研究として、集学的アプローチとコンセンサス形成に基づき、医薬品および医療機器を対象とした社会経済的分析評価ガイドライン案を示した。保険償還や薬価算定への対応可能性について検討を加え、その方法についての緊急提言を行った。欧米およびアジア各国のガイドライン策定への急速な変化が観察される今日、わが国の政策科学の国際的整合性を確保するためには、海外での研究データの利用を念頭に置いて、我が国の政府レベルでのPEガイドライン開発と制定が必要であると結論された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200601016C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では、我が国の代表的研究者による集学的アプローチとコンセンサス形成に基づき、医薬品および医療機器を対象とした社会経済的分析評価ガイドライン案を示した。それは、我が国の現行の薬価制度と国際標準での薬剤経済学的知見との整合をはかる点で専門的・学術的な意義があると考えられる。
臨床的観点からの成果
治験や臨床研究への指針としての将来的な影響が考えられる。
ガイドライン等の開発
集学的アプローチとコンセンサス形成に基づき、医薬品および医療機器を対象とした社会経済的分析評価ガイドライン案を示した。
その他行政的観点からの成果
将来的な保険償還への対応可能性を視野にいれ、欧米およびアジア各国のガイドラインの最新動向をさらに吟味するとともに、我が国の保険システムにいかに組み込むかの方法論とその実現性についてエキスパートのコンセンサス形成をはかった。
その他のインパクト
提示されたガイドライン案に関する人材養成が、慶応大学大学院での新しいプロジェクトとして立ち上がり、業界ニュース:Medical Academy News E-MAIL NEWS版第127号2007年4月9日において報じられた。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
8件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
坂巻弘之
医療機関における薬剤経済学利用の現状について
医療と社会 , 16 (3) , 237-248  (2007)
原著論文2
池田俊也
経済学的根拠に基づいた薬価算定に向けて─医療経済評価の活用可能性
フィナンシャル・レビュー , 80 , 74-93  (2006)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-